M!LKest -勇者M!LKの大冒険- 上 (ページ35)

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第十二話① ページ35

仁人「う、動けない…」

舜太「あ、あかん…俺の炎も出されへん…」

凍り付いた4人の勇者は、何とか氷から抜け出そうともがくが、その体は少しも動かない。

唯一、仁人の左腕だけは、少しだけ動かすことができるが、だからと言って何をすることもできなかった。

「ふははは！！やはり生きていたのか、か弱い勇者ども」

氷漬けにされた4人の勇者の前に現れたのは、おちゃらけキュンキュン魔王ことハヤトだった。

黒いマントに身を包み、不敵な笑みを浮かべている。

瑞生「この冷気…。これは…どういうことだい…」

ハヤト「それはこういうことだ」

ハヤトが合図をすると、扉からもう一人現れた。

仁人「そんな…」

黒い仮面をつけていたが、それは紛れもなく氷の国で出会った王子、柔太朗だった。

仁人「柔太朗、どうして…！？」

柔太朗「俺は、"白銀の超クール妖魔"。魔王様のため、俺はタタカウ」

瑞生「柔太朗…、まさかこいつに操られているのか…」

仁人「すまない皆…。私の作戦ミスだ…」

瑞生「君のせいじゃない…。僕がもっと早く異変に気付いていれば…」

琉弥「こ、この卑怯者…！」

ハヤト「琉弥…、お前にはがっかりだ。せっかくお前の力を見込んで足止めを頼んだというのに」

琉弥「うるさい…！よくも俺を騙したな…！俺の色香でお前を倒し―」

琉弥がそこまで言いかけた時、強烈な冷気が琉弥の体を包み込み、全身が完全に凍り付いてしまった。