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約15分。
コインランドリーから探偵事務所に戻るまでの距離だ。
そして、敦と太宰が恋バナに花を咲かせてた時間でもある。
「そう、そこで師匠が中也を置いて私のとこまで走ってきて抱きしめてくれたのだよ」
「キャー!!なんですかそれイケメン!!」
「でしょう!?いやぁ、あの時は柄にもなく延々と泣いたものだよ」
「泣きますね。というか、太宰さんにも子供時代があったんですね」
「あるよ、そりゃあもちろん」
太宰の口から語られる『師匠』の武勇伝を聞かされる敦は、恋愛偏差値が上がると同時に恐怖度が浮上していった。
どうしても、この目の前にある赤茶色の探偵事務所の中に居るのであろうAさんで想像してしまうからだ。
あのイケメンならやりかねない。そう思った。
「さて敦君。国木田君は戻っていていると思うかい?」
「どうでしょう。でももうそろそろ帰ってきていてもおかしくはないですよね。決まったものしか国木田さんは買いに行きませんし」
「そうだよねぇ」
「どうかしたんですか?」
「いやぁ、この先にAさんを名乗る女性がいるのだろう?国木田君に偵察してきてもらいたいなぁ〜とか思ったり」
「止めてあげてくださいよってあれ?なんで国木田さんが出ていることを知っているんです?」
「ああ、今日はタイムセールがあったからね。そのせいで今日は川辺に人が多かったから、気持ちよく入水ができなかったのだよ」
「そういう事ですか」
グダグダしていても仕方がないので、とりあえずエレベーターに乗り込んだ。
丁度良く1階で停まっていたエレベーターはカチンといい音を立てて開く。
4階のボタンを押し、二人乗り込んだところで扉が閉まる。
1階にエレベーターがあるということはあの後誰も使わなかったか、もしくは誰かが出て行ったという事だろうが、敦はそのことに気が付かない。
太宰は少し緊張した面持ちで4回にたどり着くのを待っていた。
数秒で4階にたどり着く。
「行きたくない」とごねる太宰に敦が「まぁまぁ、一度会ってみてください」となだめる。
武装探偵社と書かれた看板が下げられた扉。
勿論太宰は開けようとしないので敦が明ける。
扉を開いた瞬間のことだった。
何かに刺されたような感覚。
いや、これは殺気だ。刃物にも感じられる殺気。
しかしそれは敦に向けられたものではない。反射的に扉を閉めようとした敦だがそれをする前に、隣にいた人物が消えた。
「太宰さん!!」
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みぃ(プロフ) - 紅羽さん» コメントありがとうございます!頑張ります! (2019年1月18日 22時) (レス) id: 48f4ee6765 (このIDを非表示/違反報告)
紅羽 - とっても面白いですね!更新頑張って下さい!応援してます! (2019年1月11日 20時) (レス) id: a17c6e8d22 (このIDを非表示/違反報告)
みぃ(プロフ) - yamamia38さん» こちらこそありがとうございます! 更新遅くて申し訳ございません。これからもよろしくお願いします! (2018年12月18日 18時) (レス) id: 48f4ee6765 (このIDを非表示/違反報告)
yamamia38(プロフ) - ヤバい!面白いですね!投票とお気に入り追加させていただきました!太宰さん推しだから嬉しいです。有難うございます! (2018年12月16日 22時) (レス) id: bb32575fc9 (このIDを非表示/違反報告)
みぃ(プロフ) - 青森県と大阪府さん» コメントありがとうございます!ちょっと今日本にいないので更新はできないので、ごめんなさい。勧めてまでくださり…照れます。これからも、よろしくお願い致します。 (2018年10月23日 23時) (レス) id: d688bcfef3 (このIDを非表示/違反報告)
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