手紙。

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あれから数日。

ファンレターをまた出す為に便箋を買ったのはいいが、ネタがなく返事を書けないままでいた。

【またファンレター書いてくれることを期待してるね！】

と書いていたのがプレッシャーだったり。


『ウケ狙ったわけじゃないのになぁ。一気にハードル上がったかん半端ない。あ、始まった』


今日はGENERATIONSが出る、とある歌番組。

真っ白な便箋をそのままにして食い入る様に番組を見る。


「今、ハマってることは？」

「実は、メンバーの名前を呼ぶ時に【拝啓】ってつけるのが密かなブームなんですよ」

「なんで拝啓？」

「拝啓なんて使うことって最近中々ないのに、たまたま目にしたらツボにハマっちゃって」


トークをする片寄涼太を目を丸くしながらみるA。


『え？えっ、ちょっと、待って』


テレビを見ながら慌てる。


『だって、拝啓って……』


あたしが書いた手紙。

そして涼太くんから来た返事の手紙。

繋がるのは拝啓なわけで。


『どうしよう。このテレビ番組も家宝ものじゃん』


そう思いながら手紙を書き始めるAだった。

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