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「いいのか?お前良い奴だな」
とご機嫌スマイルをAに向ける林田。
お前良い奴だな、って昨日も聞いたセリフだなと頭に浮かぶがブルブルと頭をふりかき消す。
『穴直すぐらいなら大丈夫です』
黒い服をもらい、穴のあいた部分を確認する。
確かに穴があいていて裁縫セットから針と黒い糸を出し縫っていく。
そして、ふと目のいく参番隊隊長と東京卍會の文字。
『とうきょう····?』
無意識に口に出して読んでいるが、次からが読めず止まると
「とうきょうまんじかいな」
と林田先輩が教えてくれた。
『まんじかい····』
難しいなと思っていたら、トドメに
「東卍ってみんな呼んでるけどよ」
『えッ!』
何気なく教えてくれたんだろう。
ただ、その名前は聞きたくなかった。
「Aどうかしたか?」
固まるAに三ツ谷が声をかける。
三ツ谷先輩が仕立てたと話していた。
そうなると必然的に
『三ツ谷先輩も?』
と目線を向けると気まづそうな顔をしている三ツ谷の姿が。
これはマズイやつだ、自分の中で警報が鳴り響く。
穴のあいた特攻服を急いで直すと
『終わりました』
林田にグイッと渡す。
「お、サンキューな」
とお礼を言われたが、一刻も早くここから立ち去りたいの気持ちがいっぱいで受け答える余裕もなかった。
『三ツ谷先輩、すみません。用事思いだしたので帰ります』
自分の荷物をまとめ部室を後にする。
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アオイ - 続きめっちゃ気になる! 更新頑張ってください! (2022年3月3日 7時) (レス) @page26 id: c4dfd681b0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:にゃんころ | 作成日時:2021年10月27日 12時