#キャスギル 炯眼 リクエスト ページ23
もぞもぞ、と何かが動く感触で意識が段々と覚めていく。
自然を感じさせる香りと高貴な気配を背後に感じた。
『…んんっ』
目を開けてみてもまだ外は暗闇のままで、いつも見ている雪化粧を纏った山々は視界には入ってこなかった。
すぅ…と人の呼吸する音が一つ。二つ。三つ。
奇襲でも仕掛けられたのか、と脳裏を過ったもののカルデア内がこんなに静かな訳ないか、と自分を安心させた。
寝返りを打とうと身体に力を入れるとピクリともしなかった。自分の身体にだけ意識を集中させると誰かに抱き抱えられている感覚がした。なんてこったい。
所謂、“夜這い”ってやつですかい。しかもお腹に回されている二本の腕は完全に男性特有の筋肉質なものであった。
『よ、よば…』
焦って声を出してしまったが、相手はまだ規則正しい寝息を立てている。そんなに私の身体は抱き枕スキルMaxなのか。
こんな脳内で話している私だが、非常に焦っている。流石に人類最後のマスターである私でも焦る。夜這いなんて経験したことがない。
こういう時ってどうすれば…。そう考える私だったが、1番大切なある事に気がつく。
『そういえば、誰なの…?』
私に巻きついているのは誰!?問題である。
ロマンはこんなことはしないだろうし、たぶんサーバントの誰かだとは思うんだけど私にこんなことをするサーバントなんて居たっけ…と考えを巡らす。
今日、マイルームに常駐させていたのは王様____もといギルガメッシュ、彼である。
しかし、彼は王様という身分で「雑種!」って呼んでくるような人なはず。幼少の頃は心優しかったらしいけど…。
でも私の部屋に入れるサーヴァントは彼一人だけである。この事実と今の状況を合致させるには、王様が不可欠であった。
声をかけてみようか、と思っても「我の安眠を邪魔するな」って叱られそうだし、かと言ってここで起こさなくて翌朝二人で起きても到底話せる雰囲気じゃない。
ジレンマを抱えた私にはどうする事も出来ず、ただただ背中から感じられる王様の呼吸、心臓の波打つ音に全身を支配されたかのように固まっていた。
このままでは私の身がもたないので意を決して声を掛けてみようと試みる。
『お、おうさま…?』
若干緊張で上ずってしまって頼りない声だったが、すぐ後ろにいる王様には聞こえるだろう。
すると彼は少し唸り「A…」と零しながら私の身を縛っている力を強めた。
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にょると(プロフ) - 愛里さん» こちらこそリクエストありがとうございました!!またありましたら宜しくお願いします。 (2020年2月26日 23時) (レス) id: ac6d2afe74 (このIDを非表示/違反報告)
愛里(プロフ) - にょるとさん» 孔明先生かっこいいです。ありがとうございました! (2020年2月26日 20時) (レス) id: 95c5af7e07 (このIDを非表示/違反報告)
にょると(プロフ) - えのぐさん» コメントありがとうございます!サーヴァントの表記直したつもりでしたがまた見直してみます!ありがとうございます。アンコールですか了解しました!!ドロ甘で書きますね(握手) (2020年2月16日 2時) (レス) id: ac6d2afe74 (このIDを非表示/違反報告)
えのぐ(プロフ) - それと、リクエストです!初期鯖ですこすこな始皇帝と言いたいところなんですけど多分(きっと)(おそらく)難しいと思うのでアスクレピオス先生アンコールってできるでしょうか…このコメント見れててなおかつ小説を綴る活力があればお願いします!! (2020年2月16日 1時) (レス) id: 6a2a84fe35 (このIDを非表示/違反報告)
えのぐ(プロフ) - 初めまして!!アスクレピオス先生100Lv勢なので(そういうことです)超ヒョッ…(尊死)ってなりました。あと細かいと思うんですけどサーバントではなくサーヴァントだったはず…です。間違ってたらすいません!! (2020年2月16日 1時) (レス) id: 6a2a84fe35 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:にょると | 作成日時:2019年8月2日 22時