32 ページ32
「はい」
そう言って、布団を捲り私が入れるスペースを開けてくれる。
…このベッド、シングルサイズだから私が入ったら狭くなるからかなり密着しないといけないなぁ…少し戸惑いながらも、なるようになれ！と布団に入った。
布団は既に優太の体温によって暖かくなっている。
ぎゅっと優しく抱きしめられ、優太の息をすぐ近くに感じる。
ドキドキと破裂しそうなくらいに鳴る心臓の音は絶対に聞こえていると思う。
恥ずかしい、と思ったがどくん、どくん、と優太の心臓の音も聞こえてきた。私に負けず劣らずの速さ。
「まっ、待って…？恥ずかしすぎて、心臓はちきれそう…」
一生鳴り止まなさそうな心臓で胸が苦しくて、一度布団から出ようとするけど、優太の腕が邪魔をしてくる。
「ダメ、離れないで」
耳元でそっと囁かれ、ぞわりと甘い疼きが走る。
「離れたら戻ってこないだろ？俺、寂しいから」
熱い息を吹きかけられるように喋られて、それがくすぐったくて、ぎゅっと優太の手を握る。
「わか、ったから…そこで喋らないでっ…」
ふるふると首を振りながら言うと、優太は少し私から離れてくれる。
「…こっち向いて？」
甘くて優しい声でそんなことを言われるけど、こんな真っ赤な顔を見せたくない。
「ねぇ」
優太の手が私の耳に触れる。熱を帯びた指が耳たぶを触ったり、つーと形にそって指先でなぞったり、意地悪をしてくる。
絶対、私が耳弱いってことに気づいてる。
「…ひぁっ！…む、向くからっ」
変な声が出てしまいそうになって、口を手で抑える。
ゆっくりと優太の方を向くと、私と同じくらいその顔は赤かった。
「やっば、顔あっか」
からかうように私の顔を見て笑ってくるけど、そっちも顔赤いから私のこと言えないじゃん。
「かっわいいなぁ…」
「…今日の優太、意地悪だよ」
「風邪だから、甘えたいんだよ」
なんて言って微笑む優太はいつもより色気があって、なんだか別人みたいで。
「…手、繋いでいい？」
返事をする前に触れ合うお互いの手。
私のより一回り大きい手に包み込まれると安心感が出てきて、自然と瞼が重くなった。
「おやすみ、A」
「…おやすみ、優太」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 924人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「King&Prince」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
みく(プロフ) - ココナッツさん» すいません、間違えてパスワード掛けていたみたいです！外しました！大好きって言って貰えて嬉しいです。ありがとうございます！ (2019年11月20日 18時) (
レス) id: 40f869e6e0 (このIDを非表示/違反報告)
ココナッツ(プロフ) - あの、この場所ですいません！故意に恋して。のパスワードってどこでわかりますか、？あの作品大好きなので、教えていただけると嬉しいです！ (2019年11月19日 23時) (レス) id: 7e36391c02 (このIDを非表示/違反報告)
ささ(プロフ) - 岸くんの素直で純粋な所にキュンキュンしてしまいました。海人君との絡みもドキドキでした。岸くんから避けられる場面では苦しくて読みながら泣いちゃいました。また続きが読みたいです！ (2019年8月4日 10時) (レス) id: bafeb54348 (このIDを非表示/違反報告)
ユウ(プロフ) - 岸くんの真っ直ぐに素直に気持ちを言葉にしてくるところと考えすぎて言葉を省いたり伝えるのをやめてしまうところが出ていて翻弄されてく感じでキュンキュンしました！一か月経った後どうなるのかとても楽しみです！ (2019年7月16日 5時) (レス) id: 1feca42a09 (このIDを非表示/違反報告)
みく(プロフ) - kayakoさん» コメントありがとうございます！岸くんに一目惚れされたら人生最高ですね笑勿体ないお言葉ありがとうございます！もう少しで完結ですのでお付き合いいただければ嬉しいです！ (2019年7月15日 19時) (レス) id: 40f869e6e0 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：みく | 作成日時：2019年7月4日 19時
