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【「大きめの牢屋に足枷をつけて入れられてた子供がいたんスけど...
足枷取ったら逃げられちゃって...
追いかけたら部屋の中に入って鍵掛けられちまったんッスよ
かなりひどい傷と出血だから早く手当した方がいいんッスけど」
「(っていうから来たけどよい...)」
呆れ顔のマルコの目線の先には最大限小さくなったクルー達の姿
まるで小動物に接するかのようにビクビクしながら扉をトントンと叩いている
「お、おーい出て来いって
なんもひでーことしないから」
「ばか！そんなこと言われて信用出来るわけねーだろうが！」
「じゃ、じゃあなんて言えばいいんだよ！？」
「あ、あ、あー...んー...お、美味しいもん一杯あるぞ
お菓子とか」
「それ、小さい子誘拐しようとしてる不審者じゃねぇ？」
「んんん...でもずっとこんなことしてるわけにもいかねぇし...
仕方ねぇ！扉壊すか！！」
ウオー！と立ち上がる船員たちにマルコが近づく
「やめろよい
全く、何してるんだよい」
そう声をかけるとクルー達はうぉぉぉ！！と声を上げる
「良かったマルコさん！！」
「俺達にゃどうすりゃいいか分からないんでい！
何も喋らねぇし」
「長男のマルコさんなら大丈夫だ！」
泣いて喜ぶクルー達
マルコは呆れたようにその姿を見たあとふっと笑う
「もういいよい
ここは俺がやるよい」
「あざす！！」
「いやー良かったな！」
「良かった良かった！」
そういって笑いながら外へ行くクルー達を見守った後扉に向き直りコンコンと叩く
「いるんだろうよい
俺しかいないから怖がらずに出てこいよい」
「や...」
わずかに聞こえた高い声に驚くマルコ
「」
「なんでだよい」
「海賊...悪い人...」
「俺達は海賊だがお前達に手出しはしねぃよい
故郷まで送っていってやるだけだよい」
「海賊は...悪いもの...だもん
私も...いっぱい、痛かった」
絞り出すような声が震えていることに気づきマルコは一瞬かけていた言葉に詰まる
「あなたも、一緒
これも壊して...来て...痛いこと、するの」
その言葉を聞き、マルコは扉に寄りかかるようにして座り込む
「わかったよい
それじゃ、俺はここで待ってるからよい...
腹ァ減ったら出てくればいいよい」】
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作者名：ヘアリー | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/HAK/
作成日時：2022年10月9日 9時
