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出て行ったホンゴウとレティシアの背中を見送った後ベックマンはシャンクスと未だ眠っているAに目を向けた
ベックマンはとかに何をいうでもなく近くの椅子に腰掛けるとタバコを取り出した
数回カチッカチッとライターを鳴らし、タバコに火をつけ一息ついた
ふぅとタバコの煙を吐く
「ベック」
少し震えた声でシャンクスが言う
「ん?」
「オレ…最近おかしいんだ
Aが居なくなるような気がして…
海軍から守ることもできなかった
情けねェよ…!ベック…」
顔を抑えて涙を流すシャンクス
「…そうか」
ただ一言、ベックマンがそういう
「何すればいいかなんて分からねェが…
今のAが苦しんでることはわかる
そばにいて、Aのことを守ってやりたい」
前をまっすぐ見据えてシャンクスが言うとベックマンは少し表情を緩めてシャンクスを見た
「そうか」
シャンクスがふぅと煙を吐くベックマンを少しすっきりしたような顔で見ると笑った
ガチャと扉が開きレティシアが入ってくるとシャンクスの顔を見るなりいった
「なんだい、スッキリしたような顔して」
「へへ、まぁな!」
シャンクスは一つ伸びをすると立ち上がった
「らしくねぇな、オレ!ちょっと気分転換してくる
レティ!なんかすることないか?!」
「アンタ達が壊した机の修理」
「…やってくる
工具どこだ?」
「上がって右の…あーいい、私もいく」
そんな話をしながら部屋から出て行く二人を見送ったベックマンがAに目を落とす
目を瞑れば昨日見たAの姿が思い浮かぶ
スッと目を開けて呟くベックマン
「思い詰めてばかりだな、A」
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作者名:ヘアリー | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/HAK/
作成日時:2022年12月3日 9時