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映画が終わり、雨の中を2人で歩く。
映画中、蘭さんは基本寝ていた。
本当に私のために選んだんだな。
私も純愛映画とか別に好きじゃないけど。
でも感想聞かれた時に言えなかったらまずいから、欠伸を噛み殺しながら最後まで観た。
「で、映画はどうだったの？」
「素敵な映画でしたよ」
「俺寝てた」
「知ってますよ」
蘭さんはふわぁと欠伸をした。
今日は日曜日だからか、道路は混雑している。車が忙しなく通り過ぎては、軽く水しぶきを上げていく。
「行きたいとこある？」
「いえ、特には」
「じゃあ買い物付き合え」
「もちろんです。何を……」
言いかけたところで、1台の車が歩道側に近いところを走ったせいで、溝にできた水たまりを派手に通過した。
そして大きな水しぶきが思い切りこちらに飛んできた。
「キャッ」
車道側を歩いていた私は咄嗟に目を瞑ると、蘭さんに肩を抱かれた感覚がした。
そして気づけば、私と蘭さんの立ち位置が逆転していた。
「チッ。ナンバー覚えた。今度スクラップにしてやる」
サラッと恐ろしいことを言う蘭さんに恐怖を感じつつも、よく見ると蘭さんの服が泥水を被っていることに気がついた。
「蘭さん、お洋服が！ 私が被るべきだったのに……」
「Aは濡れなかった？」
「はい、蘭さんのおかげで……」
「ならいいや」
「え……」
蘭さんは優しく微笑んだ。
あれ、この人こんなに優しかったっけ？
こんなことされたら気が狂うな。
「本当は靴見ようと思ってたけど変更。服見るか」
「そうですね。濡れちゃいましたし」
「てかお前、傘は？」
「……あれ？」
蘭さんに言われ手元を見ると、いつの間にか傘がなくなっている。
さっきの衝撃で手を離してしまったのだろうか。
キョロキョロと見回すと、道路に私の傘の残骸があった。
あ、死んでる……。
なにこれ、未来の私を示唆しているのか？
(ネガティブ)
「しょうがねぇな」
「え？」
蘭さんは自分の傘を傾け、私を中に入れた。
「だ、大丈夫ですよ！ 濡れたって私風邪ひかない自信ありますから！」
「いいから入れ」
「……ありがとうございます」
これは、命令は命令でも、優しい命令だ。
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まお - 完結おめでとうございます!キュンキュンしながら読ませていただきました。蘭ちゃんの色気がものすんごいのは間違いない（確信） (2022年1月23日 7時) (
レス) @page31 id: 4ee49a658f (このIDを非表示/違反報告)
みくる(プロフ) - 華さん» ありがとうございます！！良作を作れるよう頑張ります！ (2022年1月17日 14時) (レス) id: af4838d834 (このIDを非表示/違反報告)
華 - 完結、おめでとうございます！ これからも変わらず応援してます！ (2022年1月16日 23時) (レス) @page31 id: a19f9ab121 (このIDを非表示/違反報告)
みくる(プロフ) - ゆさん» 最後まで読んでくださりありがとうございます！素敵と言っていただけて嬉しいです！☺️ (2022年1月16日 20時) (レス) id: af4838d834 (このIDを非表示/違反報告)
みくる(プロフ) - ATR214YSさん» 最後まで読んでくださりありがとうございます！楽しんでいただけて光栄です😌 (2022年1月16日 20時) (レス) id: af4838d834 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：みくる
| 作成日時：2021年12月2日 19時
