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第九話 ページ9






 天使同士、特に兄弟の間では互いに連絡を取り合うことが出来る特別な力で、大昔では人間の間でもできたらしいが、今では夢のような話になってしまっている。

 それを、天使は普段のやり取りの一部として行っていた。

 地上に降り立った天使と間接的に連絡を取り合うことが出来るので私もよく行っている。

 これを脳伝達、『ケレム・トランオーネ』と言うらしい。


 クアルスはそれを用いて私より先に勘づき、連絡を取ってくれたのだろうか。

 そうでなくともさすがに仲のいい兄弟と言ったところか。


 「そうか。ならいいが」

 「心配でしたら、シトスのところへ行きますか? きっと歓迎してくださいますよ!」

 「ふむ、そうだな。だが、大丈夫だ。お前が大丈夫だと言うのならきっと」

 「そうですか? なら僕はもう少し地上を眺めていることにしますね」

 「天使長様! 私は手が空いています故、何かお手伝いしましょうか?」

 「ありがとう、大丈夫だよ」

 「そうですか? ならよかったです! いつでも言ってくださいね、お力になりますから!」

 「ありがとうノークニック」


 いつでも明るく振舞うノークニックの頭を撫でてやった。

 協力してくれたクアルスにも同様に、フードの上からそっと頭を撫でてやる。


 二人に別れを告げ、図書館を後にした。

 次はプラエダントのところに行こう。

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作者名:赤間 | 作者ホームページ:   
作成日時:2020年5月18日 17時

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