退屈な人生②【ブルーロック】 (ページ7)

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凪「A髪サラサラだね」

貴『そうですか？あんまり考えた事なかったです』

凪「ふーん
ねえその動画って前の試合のやつ？」

貴『ええ
気になった選手のいるチームの試合はなるべく見るようにしてるんです

その人を軸にいろんなプレースタイルがあって面白いんですよ』

何度も巻き戻しをしては細かく試合を見ていく私に髪を乾かす凪さんの手が徐々にゆっくりになっていく

凪「……

気になるやつって俺よりも強い？」

貴『んー順位で言えば凪さんよりも低い人もいますし高い人もいますね

けど今の段階での順位はあんまり気にしてません、人それぞれ得意な分野も違いますしトラップにおいては凪さんの右に出る人はいないと思いますよ』

総合的に見たらブルーロック内で今1番と言われているのは糸師凛さん
あの天才ミッドフィールダー糸師冴選手の弟さんで技術知識ともにトップレベル

だけど個々の得意分野だけでいえば糸師さんを超え1番をとる人はいる

凪さんのトラップ技術だってブルーロックでは1番と言っても良いくらい高いし

凪「……でもさ

トラップだけでの1番だとAは満足してくれない？」

貴『ん？』

凪「俺との約束はどこまで技術を上げれば守ってくれるの」

貴『約束…「離れないって約束」ぁあ、それは全然今の段階でも守りますよ？

私友達少ないですし、高校卒業後も仲良くしてくれるなら仲良くして欲しいです』

私がそう口にすると、ゆっくり動いていた手もドライヤーも止まる

凪「……なんか違う」

貴『何がです？』

そう言いながらもAの目線はパソコンでその姿を後ろからジッと見つめる凪

…

俺の言ってる離れないは俺と玲王のサッカーだけを支えてって意味もあるけど、本命はサッカー関係なしに俺だけを見て欲しいって事

他の奴のことなんて見て欲しくない

でもAは俺と似てるから、今直接それを言ったらAは面倒くさいって思うかもしれない…

Aが好きなのは俺と玲王のサッカーだけで十分なのに

ブルーロックにさえ来なければ今頃Aは他の奴らの事なんて考えたりしなかったはずなのに……

凪がそんな事を考えているとは思いもしないAは頭にハテナを浮かべる

貴『凪さん？どうかしましたか？』

言葉を発さない凪を不思議に思い後ろへと顔を向けようとしたA

貴『…！』

けどそれは叶わなかった