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「過呼吸?息吐ける?」
そう言いながら走りよってきた男性は、俺の背中を撫でてくれた。
床に落ちてしまった紙袋を見れば男性は迷わず広げて俺の鼻と口を覆うように袋をあてがった。
「ゆっくり、息はいて」
「……ヒュッ…、…は、っ、はーっ、はーっ……」
「そう、上手」
まともに呼吸ができるようになれば「よかった、大丈夫そうだね」と男性は端正な顔のパーツで笑みを作った。
「あ、あの、ありがと……ございます……すみません、ご迷惑を……」
「いいよ、あのまま倒れられるよりマシだし。」
「……そ、ですか……」
上手く喋れない。そりゃそうだ。
目の前にいるのは俺の人生至上最高峰の推し、
そらるさんなのだから。
そらるさんのしゃべり方は優しく柔らかく、リスナーに向けたものだとわかるものだ。
「……もう平気そうなら俺は控え室に戻ろうかな。君も早く帰って____」
「ま、まって、ください」
俺がそらるさんの言葉を遮ればそらるさんはキョトンとした顔で首を傾げる。
なんだそれかわいい。幼女かよ。
さすがそらるさんじゅっさい。
「えっ、と……お礼、させてください、なんでもいいです、から、」
「えー……別にいいよ……」
心底めんどくさそうな顔でそらるさんは拒否ってきた。
それよりも、とそらるさんは目を細める。
「君、今日花道の近くに居たよね?どこかで会ったことある気がするんだけど……」
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チムチム(プロフ) - ライ推しって…ダサいですかね…? (2020年4月25日 19時) (レス) id: 27fd028ae9 (このIDを非表示/違反報告)
あ(プロフ) - うたたねさん» ありがとうございます!自分のペースで頑張ります! (2020年4月23日 15時) (レス) id: e342a33611 (このIDを非表示/違反報告)
うたたね - 更新楽しみにしてます! (2020年4月21日 22時) (レス) id: 1fe436b7f8 (このIDを非表示/違反報告)
あ(プロフ) - Mさん» 応援ありがとうございます!リアルが忙しいので今までより少し遅くなるかもしれませんが、頑張って更新します! (2020年1月20日 8時) (レス) id: e342a33611 (このIDを非表示/違反報告)
M - 更新待ってます! (2020年1月19日 22時) (レス) id: 0b28302cf7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:りーふぇ | 作成日時:2018年11月15日 8時