13枚目 ページ13
貴方side
「ほんま、すぐ理性効かなくなるから困るわー。怒られるんわ自分なんやで?お前外面いい癖に理性弱いのが駄目なんよ。聞いとる?」
トントンを蹴りながらオスマンはそんなこと呟く。
既に鼻から血を流す程には顔面を蹴られているのだろうに、トントンの表情は笑顔だった。
「んっ、、んふ、、ふはは、、」
「何笑っとるん。遂に頭おかしなったん。」
突然笑いだしたトントンにそう辛辣な言葉をかけるオスマン。
いのもの他愛ない日常でもそのようなやり取りはあって、皆で笑えてたのに、今は全然笑えない。
「Aの、、Aの肉って、、血ってこんな上手いんやなぁ、、あははっ、、。」
「頭おかしなったか。御愁傷様」
そう言うとオスマンは階段に倒れ込んだトントンを担ぎ上げて階段を下り始めた。
明かりがなく、階段の下に行けば行くほど姿が見えなくなる。
その時、ゆっくりと私の方に向きを変えてオスマンはこう言った。
「後で迎えに行くからAちゃんは元の部屋ん中おってな?それ以外の所おると俺はもう知らんよ。タヒんでも恨まんでな。」
最後にめぅと言葉を付け加え、オスマンの姿が見えなくなった。
途端に、止まっていた呼吸が稼働する。
空気が無くなっていた肺に、急に酸素が送り込まれてむせ返る。
『ん゛っ、、ゲボッ、、ゲボゲボ、、!』
涙目になりながら空気を吸って吐いてを繰り返す。
トントンに食い千切られた腕はまだ生々しくも血を流し続けていて、服が少々汚れてしまった。
でも、今はそんな事関係ない。
オスマンに言われたとおりに元いた場所に行こうと思い、震えていた足を何とか立たせて階段の手すりを使いながら階段を上る。
『グズッ、、エッグ、、エッグ、、ヒック、、。』
怖いし寒いし寂しい。
色々な感情が混ざりあって泣きながら階段を上った。
続く
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はゆり - え?皆さん私モテ知っていますか?私すごくその漫画が好きでこの小説で出てきて興奮しました。作者様も私モテのファンだと嬉しいです。(25話) (7月28日 22時) (レス) @page25 id: 647d51317b (このIDを非表示/違反報告)
るーるー。(プロフ) - うお。怖い。これは、、、ホラー?ま、いいや。タイトルからなんかゾクッときてしまいました。展開がとても気になります。更新頑張ってください。 (4月26日 15時) (レス) @page39 id: a2c8966320 (このIDを非表示/違反報告)
綷撥(プロフ) - 大戦犯さん» 解いてます!期限付きなのでどうぞお楽しみください! (2023年3月15日 19時) (レス) id: 077ab00643 (このIDを非表示/違反報告)
大戦犯(プロフ) - パスワードが、パスワードが解かれている!!キェェェェェェェェ(歓喜) (2023年3月15日 14時) (レス) id: 8079df56ee (このIDを非表示/違反報告)
綷撥(プロフ) - ぱんけーきさん» ぱんけーきさんコメントありがとうございます!体の一部ですか?!むしろどこら辺が欲しいのかで話は変わって来ますが、取り敢えずそう言って頂けて、とても嬉しいです。ありがとうございます! (2023年2月2日 19時) (レス) id: 077ab00643 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:俎 | 作成日時:2022年11月26日 11時