5食目。 ページ6
『AB-CIR』が言っていた十年まで、あと10日ほどだった。
メグルはもう、攻撃的になっていた。
あの心優しい面影はない。
バニカも暗い子になってしまった。
セレナと同じように、もうここ数日なにも口にしていなかった。
セレナは休みの日にこっそりと他の領土で何か食べ物を買ってきて、バニカにあげていたりしていたが、使用人たちにばれてからはそれもできなくなっていた。
部屋でセレナはバニカと共にトランプをして遊んでいたが、メグルの声が聞こえた。
よくは聞き取れなかったが、恐らく自分のことだろうと考えた。
バニカがカードを置いて、セレナを見つめた。
「お母様が呼んでるよ？」
もちろんそれはわかっていたが、何かよくない気がした。
「え、ええ。そうですね。」
重い足を引きずるように、部屋から出た。
声が聞こえた方の廊下を歩いていると、ムズーリが剣を持っていた。
足下には、メグルが横たわっている。
セレナは瞬時に理解した。
きっと、ムズーリはメグルを止めてくれたのだろうと。
セレナに気づいたムズーリは誤魔化そうとしたが、セレナはくすりと笑った。
「わかっています、旦那様。メグル様を止めてくれたのですよね。」
目線をムズーリの足下へと移し、悲しく微笑んだ。
そして、無事に10年が過ぎた。
生き残ったのはムズーリとロン、元々食べていなかったバニカとセレナだけだった。
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いんく(プロフ) - 桜猫さん» 返信遅れてしまい申し訳ありません。一ヶ月一冊ペースで進めていくつもりですので、こちらもよろしくお願いします。 (2016年8月5日 19時) (
レス) id: 8afac89c30 (このIDを非表示/違反報告)
桜猫 - こちらも読ませていただきます( ^ω^ ) (2016年8月3日 11時) (レス) id: 3524d9e2e8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：いんく | 作成日時：2016年8月1日 22時
