叶わぬ思いに終焉を.【オリオンの刻印】

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ﾋﾟｰｯ

基山先輩と野坂さんが交代して試合が再開する。

キャプテンマークをつけ、
日本の司令塔となった野坂さん。

みんなが彼の指示に従って動き出した。


｢俺が喰らうｯ！｣

ウズベキスタンの選手が正面突破しようとするが、
その瞬間に野坂さんがボールを奪った。


｢なｯ…！？｣

｢野獣の扱いには慣れているよ｣

｢野坂！！｣

｢うわぁ、野坂さんかっこいい…。｣


私や明日人先輩が感激しているうちに
野坂さんは前へ前へと進む。


｢さぁ、反撃するよ！
中盤！不動さん、氷浦くん、明日人くん、
一星くんは紡錘陣形をとって中央突破を図る！｣


"王者のタクト"


必殺タクティクス、王者のタクト。
それは野坂さんが指揮者のようになって
ボールの位置を光で指示するタクティクス。

そう、GOでいう神童の"神のタクト"である。


｢灰崎くん！｣


ボールは凌兵に回り、ヒロト先輩との連携を図る。


"ペンギン・ザ・ゴッド＆デビル"

"忘却のソナタ"


｢ｯ、1オクターブ高い！｣


ｺﾞｰｰﾙ！


見事に2人の必殺シュートがゴールにささった。


1-2


日本は後半戦でやっと1点を取り戻すことが出来た。


ウズベキスタンのキックオフで再開する。


明日人先輩のスライディングが失敗し、
ボールはウズベキスタンから一星くん、
一星くんから野坂さんへと回る。

前半戦の中継を見ていた野坂さんは、
ウズベキスタンのやり方を全て把握しており、
綺麗に回避する。


｢うわぁ、綺麗｣

｢感心してないで動け馬鹿春瀬｣

｢あっきー先輩に馬鹿って言われる
筋合いは無いですよーだ。｣

｢はいはい。口じゃなくて足を動かせ。｣

｢はーい。｣


そのまま野坂さんはゴール前へ進む。


"月光丸・燕返し"


新技でウズベキスタンのゴールネットを揺らした。


ｺﾞｰｰｰﾙ


2-2

同点。どちらが勝ってもおかしくない。


試合が再開すると、ウズベキスタンの選手たちは
日本の選手に強く当ってボールを奪う。


｢いｯ…｣


みんなは既に息が上がってしまっていた。

あれ、当たると痛いんだよね。


｢危ない！｣


ボールは凌兵の所へまわるが、ウズベキスタン側が
危険なスライディングで凌兵の足を
使えなくしようとしていた。

が、間一髪で致命傷を避ける。


｢凌兵、大丈夫！？｣

｢大丈夫かい｣

｢あぁ。致命傷は避けられた。｣

｢っ、許さない｣

その後も危険なプレーを繰り返すが、審判までも
オリオン側な為に、レッドカードは出なかった。

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