・ 戦術の皇帝の帰宅 ページ34
｢どんなに凄い兵器でも使わなきゃ、
宝の持ち腐れだろうがよ！｣
どうやら、剛陣先輩がうなっているようだった。
｢やめとけよ剛陣。監督には
何か考えがあるんだろうよ。｣
不動先輩が剛陣先輩をなだめる。
｢けどよ！｣
｢僕も同感です。剛陣先輩が出るのはまだ早い。
あの程度の雑魚に先輩のファイアレモネードを
使う必要はありませんよ。｣
聞き覚えのある声が、聞こえてきた。
｢はぁ？｣
みんなは、彼の声を聞いて驚いていた。
｢｢はっ！！｣｣
そう、その声の主は野坂さんだったのだ。
｢うぉっ、野坂！？｣
｢ﾁｯ 面倒なやつが帰ってきやがったぜ。｣
逢いたかった、凄く。
なんて……。
言えるわけがないけれど。
｢…のさか、さん。｣
久々に見た彼は、
相変わらず大人びていてかっこよかった。
そして今、彼と話しているのは杏奈先輩。
遠くから見ても、美男美女でお似合いのふたりだった。
…どこか、心が痛むのは気の所為ということにしたい。
そのままキャプテンマークを
杏奈先輩から受け取り、腕に着けた。
そう、この試合でのキャプテンは"彼"なのだ。
ゆっくりと、彼に近づいていく。
｢のさかさ…｣
話しかけようとして、手を伸ばした途端に
彼が後ろを振り向いた。
｢久しぶりだね、Aちゃん。｣
伸びていた私の手を握って、そう呟いた。
｢っ…あ、えっと、おかえり…なさい。｣
一瞬の出来後に困惑してしまい、
彼と目が合わせられない。
私が喋ろうとすると、握られている彼の手に力が入る。
……これ、わざとだよね。
｢うん、ただいま。｣
優しく私の手を離すと、
彼はフィールドに向かって歩いていった。
｢…ﾁｯ。見せつけやがって。｣
｢お、嫉妬か？｣
頬が赤く染っている私を見て、
凌兵や不動先輩が呟いていたなんて知る由もなかった。
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れもん。(プロフ) - 虎倉瀬さん» コメントありがとうございます！これからも更新頑張ります (2022年10月11日 18時) (
レス) @page40 id: be79fbde0d (このIDを非表示/違反報告)
虎倉瀬(プロフ) - この作品の夢主ちゃん可愛くてめっちゃ好きです！！！これからも更新頑張ってください！！！！！ (2022年10月9日 9時) (レス) id: 65921fec64 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：れもん。 | 作成日時：2022年3月5日 0時
