36:今日が、始まり ページ36
*
「なに……?」
私を見下ろしたドンヘが、不思議そうに首を傾げた後小さく呟いた
「………あの時のこと、思い出したの」
「あの時のこと?」
「ん………あたし、肝心なこと忘れてた。
酔った勢いでドンヘに押し切られたってずっと思い込んでたけど」
「………」
「そうじゃなかった。欲しがったのはあたしだった」
見下ろすドンヘの頬を撫でると
その手をドンヘの指が絡めて手のひらにちゅっとキスをした
そのまま、滑らせるように指1本1本をなぞる唇
それだけで身体中が沸き立つみたいにザワザワする
これ以上のことが今から起きるっていう期待と不安に
なぜか言葉が止まらなくて
「なんでそう言ってくれなかったの?」
「そんなことどうでもよかった、から?」
「でも…」
「シッ……」
「………」
「もう黙って……」
そう告げたドンヘがあたしに跨ったまま起き上がって
ネクタイをクイっと引っ張ってしゅるっと外す
……どうしよう
あたし、きっともうぐしょぐしょだ……/////
「ヌナ……」
そう呼ばれるだけで、身体が震える
起こされて、髪を耳にかけて
まるで初めてするみたいなそっと触れる唇がただただ気持ちよくて
まるで薄いヴェールを1枚1枚剥がすように脱がされる間
あまりに緊張して息を潜めてた
ゆっくり、抱きすくめられてやっと吐き出した息
触れ合う素肌がこんなに気持ちがいいなんて初めて
「大丈夫?」
そう耳元でドンヘの優しい声を聞いたら、急に泣きたくなった
「だいじょう、ぶ……」
「ヌナ……?」
「ぁ……ちがうの、これは…」
「わかってる」
「ん…」
「最初から、やり直しね?」
そう、最初から…
今日が、始まりだよね?
あの日より、きっと丁寧に
あたしの肌を滑るドンヘの指先そのすべてに、恥ずかしいくらい反応する
「ん………ぁ、あ…」
「ヌナ、好きだよ」
「ん、あたし、も……」
自分で思ってた以上に、ドンヘのことが好きになってることに驚く
ドンヘの唇が、おでこ、頬、鼻先、唇に優しく触れて
耳朶に辿り着いたとき、思わず自分でもびっくりするくらい声が出た
「や、ぁ、ん」
「ふ……やっぱりヌナ、ここ弱い」
「やっ……ダメっ……」
そこで喋らないで……/////
「ダメ?でもいい声」
「ひゃ、ぁんん」
クチュリ
舌で中を刺激されて脳内に響く水音
全身に総毛立つほどの快感が走った
*
1048人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
さくらこ(プロフ) - 彩さん» 彩さん、ありがとうございます( ´ ▽ ` )ノこれからもよろしくお願いします♪ (2014年11月24日 21時) (レス) id: c51219206a (このIDを非表示/違反報告)
さくらこ(プロフ) - ゆいさん» ゆいさん、ありがとうございます♪引き続きよろしくお願いします( ´ ▽ ` )ノ (2014年11月24日 21時) (レス) id: c51219206a (このIDを非表示/違反報告)
彩(プロフ) - 読めました。更新楽しみにしています。 (2014年11月24日 21時) (レス) id: a4dd4acfd9 (このIDを非表示/違反報告)
ゆい(プロフ) - 見れました! 本当、続きが読めて嬉しいです! (2014年11月24日 19時) (レス) id: 6061a04eaa (このIDを非表示/違反報告)
さくらこ(プロフ) - 彩さん» 彩さん、新しいお話読めてますか?編集中だったのでパスワードをかけさせてもらってました。言葉足らずですいませんでしたm(._.)m (2014年11月24日 17時) (レス) id: c51219206a (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:さくらこ | 作者ホームページ:http://id41.fm-p.jp/390/cherryhae15/
作成日時:2014年9月24日 19時