29:考えたくない「もしも」 ページ29
*
「あたし、今日こそﾄﾞﾝﾍオッパをモノにする！」
トイレに入ってくるなり豪語する声に、またしても出るタイミングを逃す
ジヨン………？
「何よ突然」
「やっと◯◯銀行の件も一段落したから昨日誘ったんだけど」
ふと、昨日の事が思い出されて胸がチクっと痛くなった
ﾄﾞﾝﾍの腕に絡むジヨンの手、そして、押し付けられた豊かな胸……
それでそれでと、話の続きを強請る同僚
聞きたくないのに、身を乗り出して耳をそばだたせてしまう
「何も」
「は？何も？？」
「そう！御飯食べて、はい、さようなら〜」
そう…だったんだ……
強張った身体から、力が抜けた
「だから、今日こそオッパを落とす！」
「はいはい、てかまだモノにしてなかった事に驚きなんだけど」
「だってぇ、ああ見えてﾄﾞﾝﾍオッパ、堅いのよ」
「へぇ、そうなんだ」
あたしにはすぐ手を出したのに……な
そう思ったら、自分が少しだけ特別な気がして頬が緩む
でも………押しの強いジヨンに負けて
もしかしたら、今日こそジヨンに落とされるかもしれない
昨日、ﾄﾞﾝﾍのお母さんに背中を押されて
ﾄﾞﾝﾍにちゃんと、伝えよう、そう思って早く出社したけど
フロアに人が集まり始めると居たたまれなくなってトイレに逃げこんだ
「やっぱりトイレは鬼門だ…」
あたしがトイレに逃げ込むとロクな事がない
静かになったトイレからとぼとぼ出てくると、ちょうど営業に出るﾄﾞﾝﾍとジヨンに出くわした
「…あ、ヌ……先輩、おはよう…ございます」
「……おはよう」
ぎこちなく笑うﾄﾞﾝﾍに胸がきゅぅんとする
ヌナって呼ばれなくなって、どれくらい経つだろう
最初は擽ったくて居心地が悪くて嫌だった
だけど……
今はﾄﾞﾝﾍの口から先輩って呼ばれる事がこんなにも寂しいなんて
「営業行ってきます」
「行ってらっしゃい…」
小さく頭を下げたﾄﾞﾝﾍの表情からは、何も読み取れなかった
受け入れてもらえないかもしれない
もう、ヌナなんていらない、そう言われるかもしれない
本当に今日、ジヨンに落ちてしまうかもしれない
考えたくない「もしも」、が重く心を支配していく
でも………
このままただ、黙ってそれを受け入れるのは嫌だった
2人を見送った後
スケジュールボードを見ると、帰社のマーク
ﾘｮｳｸと共に営業に出てその時を迎えるまで
あたしはずっとドキドキしっぱなしだった
*
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さくらこ(プロフ) - 彩さん» 彩さん、ありがとうございます( ´ ▽ ` )ﾉこれからもよろしくお願いします♪ (2014年11月24日 21時) (
レス) id: c51219206a (このIDを非表示/違反報告)
さくらこ(プロフ) - ゆいさん» ゆいさん、ありがとうございます♪引き続きよろしくお願いします( ´ ▽ ` )ﾉ (2014年11月24日 21時) (レス) id: c51219206a (このIDを非表示/違反報告)
彩(プロフ) - 読めました。更新楽しみにしています。 (2014年11月24日 21時) (レス) id: a4dd4acfd9 (このIDを非表示/違反報告)
ゆい(プロフ) - 見れました！ 本当、続きが読めて嬉しいです！ (2014年11月24日 19時) (レス) id: 6061a04eaa (このIDを非表示/違反報告)
さくらこ(プロフ) - 彩さん» 彩さん、新しいお話読めてますか？編集中だったのでパスワードをかけさせてもらってました。言葉足らずですいませんでしたm(._.)m (2014年11月24日 17時) (レス) id: c51219206a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：さくらこ
| 作者ホームページ：http://id41.fm-p.jp/390/cherryhae15/
作成日時：2014年9月24日 19時
