フクロウさん参【MIU404】 (ページ10)

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「はぁーもっと早く捕まってたらなぁ」

「無茶言うな、完全に閉じちまった人間の手は、掴めねぇんだ…あ、俺の上着しらね？」
「うん？」

「あっ、そうだ。息子さんの！」

「食事会！」

「もういいよ」

「いや、よくない」

「退職後に1人トランクルームで暮らす生活でいいんですか？」

『陣馬さん。…待っててくれていると思いますよ。』

「…」

なんとか陣馬さんを送り出し、トランクパラダイスに戻った。

「うち、ペット禁止なんだよ」

「分駐所で飼う？」

『えっっっ！？』

「できるか」

「工藤ちゃんの、そんなにキラキラさせた顔見るの初めて…」

『…』

分駐所にも癒やしって必要だと思うと呟くと、「ぽり丸くんが居るだろ」と志摩に言われる。俺は猫派なの。

「あ！この人泊めてくれるって！」

「うそ！どの人！」

「なになに？見せて？…はいノーセンキュー！二度とメッセージ送ってくんなっとはい！送信！」

「酷い…」

「暴力を受けたり、性被害にあって欲しくない」

中には親切な人も居る。と、彼女たちは反論をする。

「君たち、よく考えてご覧そういう男は若い女の子にしかメッセージを送ってこない、倉田さんみたいなおっさんが"泊まるとこありません助けてください"って言っても無視、誰も泊めてくんないよ？」

正論だな。彼女たちは倉田さんの方を向き、考える。

「……無視だね」

「…無視……」

流れ弾食らった倉田さんを慰める伊吹。

「君たちに何かあったら…悲しい」

「そう、だからほんと…お願い」

「親がやばいかなんかで家出中なんでしょ？10代の女の子のためのサポートセンターに行きな、私の名刺もなんかあったら連絡して。悪い大人もいるけどちゃんとた大人もいる、諦めないでまずは福祉や公共に頼る…君たちは1人じゃない」

「倉田さんもですよ」

「そうそう。家帰ってちゃんと奥さんと話そうぜ」

「実は、うちの奥さん……猫大好きなんです。…きんぴら、ケンさん死んじゃったんだ。俺と一緒に来るか？」

倉田さんの問いかけに、きんぴらが答えるように「ニャー」と返事をした。可愛い。

「よし、行き先も決まったとこで……歌っていい？」

「なんで？」

「イベントいけなかったんだよ？リクエストがあれば聞くから」

ステージ衣装になったスウモアとジュリさんによるステージが始まった。そこに、出前太郎がご飯を届けてくれる。

「いただきまーす」

「ありがとね」