伍拾肆 ページ12
主が声を荒らげ、一期一振、鎬はそのまま審神者の執務室へと足を運んだ
たくさんの書物と、棚
日本地図もあり、アンティークなどもあるようだ
部屋中央部に主椅子に座ると審神者は本題を切り出した
「今回の大変なことは…また歴史改変だ」
「次は…どこなのでしょうか。先日聚楽第があったというのに…また…」
一期一振は心配で仕方なかった
また歴史改変が起きれば…それがまたあの聚楽第だったら、鎬はどうなるのだろう
またボロボロで帰ってくるのだろうか、また苦しむのだろうか
「…明暦三年…1657年3月2日〜4日。鎬なら何かもう分かるだろう？」
「明暦の大火……」
「今回の改変はちょいとばかしおかしい。まず一つ。明暦の大火の原因となる振袖、それを一番最初に来た人物の事故死。二つ、何故かは知らないが町民が水桶を準備している。三つ、今回の敵の親玉が…徳川」
「まて…それじゃ…｣
「嗚呼、明暦の大火は起きず、お前は現存する」
現存して自分は何になるだろう
ただの美術品か？
それとも徳川に使われるか？
その前になぜ、明暦の大火が改変される？
「さっき…とある映像が来た。見せるね」
『＿＿ｻﾞｻﾞｯ…ｻﾞｰｯ…＿＿し、＿ーし！聞こえるかい？』
『繋がったかな？えっと、政府からの緊急任務だよ…これは強制。この改変は日本だけにとどまらず、世界にも影響を及ぼす可能性がある。至急、五人編成にして……うーんと…まぁ、とりあえずおいで！あとはそこで教えるから！＿＿ﾌﾟﾂﾝｯ』
暫くの沈黙があたりを包んだ
そして、鎬にはその声の主が誰かはわかった
昔、同じ徳川にいたものだ
懐かしいと思う反面、嗚呼、お前もいたのかという安堵感が心の中にあった
「鎬にはこれに行ってもらう…異論は？」
「鎬…」
「…鎬。無理ならいいんだよ。お前が嫌がる事は…辛い思いを見るということは…私は見たくない…」
一期の弱音だった
本音はいってほしい
しかし、それだと焼失してのちのち会えなくなるかもしれない
かと言ってそれは自分のエゴでありひとつの欲
叶えようにも叶えられないのが現実だった
「無理じゃない。俺は行く…俺の歴史は俺が守る…それが世界に関わろうものなら、俺はこの身がどうなろうが戦う…そう決めた」
「…わかった…では行ってきなさい。鎬」
「おう」
＿＿＿＿＿＿＿＿＿
明暦の大火はローマ大火、ロンドン大火に並ぶ世界三大大火と言われています
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 465人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
東雲 - この作品大好きです！ゆっくりでいいので続きを楽しみにしています(*^^*) (2021年4月13日 21時) (
レス) id: 3d369926d3 (このIDを非表示/違反報告)
空桜(プロフ) - お疲れ様です！のんびり待っててよかったです＾＾ (2020年1月31日 0時) (レス) id: e5333279ca (このIDを非表示/違反報告)
鶴まじ天使(プロフ) - ﾔﾊﾞｲ好きだぁぁぁぁ…！更新頑張ってください！！ (2019年5月13日 22時) (レス) id: 2390bd5229 (このIDを非表示/違反報告)
葡萄月@刀アカ - ぎゃぁぁぁ！！神作品を見つけてしまった！！更新頑張って下さいっ！ (2019年5月13日 15時) (レス) id: a246b0d986 (このIDを非表示/違反報告)
自由陣(プロフ) - おお！ありがとうございます！覚えてますよー、ティッシュの方！最初のところの研究者の江成ちゃんは研究熱心…(？)の域を彷徨ってます← 更新頑張りますよ〜！ (2019年4月29日 20時) (レス) id: b178f06fe6 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：自由陣 | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/rekishilov1/
作成日時：2019年4月28日 15時
