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緊急で手入れをさせられたこの身体は戻ってしまった
片腕が動かせなかったはずなのに今では左右や上下に動かせる
あんなにざっくりと切っていたはずなのに、元気そのもの、いっぱい動く
【『ごめん…ごめんね小烏…ッ』】
あの本科の声が嫌になるほど頭に張り付く
別に、自分からやったのになぜ本科が謝るのだろう
悪くないはずだろうに、手入れ部屋に運ばれるまで本科は自分に謝罪をずっと言っていた
馬鹿らしいと思いながら
現在、小烏の本体は審神者が預かり、保管している
必要な時以外では使わないようにしているのだ
小烏は起き上がって、周りを見た
薬品の匂いがするこの部屋には布団と少しの資材、そして手入れ用の妖精がいた
その妖精が『ダメダメ!まだ寝ていて!!』と言うように指をさしてプンプンしている
でも、小烏はそれにデコピンをしてコロコロ転がした
妖精はデコピンされてコロコロ転がってペターンとしてしばらく起き上がらない
それを見た小烏は部屋から出た
部屋に戻ったあと、部屋が綺麗にされていることが分かった
それもそうだろう、あんなに血だの肉片だのある部屋をほったらかしにするものか
でも、別に小烏にはどうでもよかった
引き出しからハサミを出した
1組のハサミを壊して、片方を先程切り落とした腕に刺した
もうひとつは、ある願いを込めて腕とは違う場所に刺した
小烏はこの時、不吉に笑った
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中原三日月(プロフ) - 源氏兄弟と写しの心境がとてもよく分かり素敵なお話で考えさせられます。更新頑張ってください!応援してます! (2019年8月19日 17時) (レス) id: f8510eae2e (このIDを非表示/違反報告)
そると(プロフ) - とても素敵なお話で楽しく読ませて頂いてます!!髭切と暗めの話が好きな自分にどストライクの小説で更新されるたびにワクワクして読んでいます!これからも更新頑張ってください!! (2019年8月19日 17時) (レス) id: e0cbedd7f4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:自由陣 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/rekishilov1/
作成日時:2019年3月25日 16時