9)異能の代償 ページ10
「織田作さん!お姉ちゃん変だよ!」
「A?」
車のシートにぐったりとするA
「織田作さん、後ろに毛布があるので、それでAさんを包んでください」
「あぁ」
子供たちが見つけ、引っ張り出してくる毛布を受け取り、Aを包み、抱き締める
「・・・冷たい・・・」
「異能を使った代償です。あまり公には出来ませんが、Aさんの氷雪の異能はあまりにも強力過ぎて、使用者の身体すらも凍らせて、一時的に冬眠状態になるんです」
「っ・・・そんな、危険な・・・」
「少しでも眠りを浅くする為には身体を暖めてあげる必要があるんです」
織田は抱き締める腕に力を入れる
「・・・本当は、僕が子供たちを保護する予定だったんです・・・Aさんには、貴方をポートマフィアから抜けさせる為に説得して頂くつもりでした・・・Aさんには、わかっていたのかもしれませんね・・・僕が間に合わない事を・・・」
「・・・・・・・・・・・・・・」
すると、ピトッとくっついてくる子供たち
「?どうした?」
「・・・姉ちゃんに助けられたから・・・」
「僕たち、子供だから体温高いから、暖めてあげれるかなって・・・」
「・・・・そうだな、子供は暖かいからな」
織田はフッと笑い、子供たちの頭を撫でる
抱き締めるAの身体が、じんわりと暖かくなった気がした
「・・・・ありがとう・・・A・・・」
ーーーーーーーーーーーーーーー
「・・・・・・・・・・・」
ふっと目が覚めるA
「・・・・?・・・作之助・・・?」
自分を抱き締める彼に驚き、周りに眠る子供たちに目を見開く
「ここは・・・」
「僕のセーフマンションです」
坂口が部屋に入る
「織田作さんも、子供たちも貴女から離れようとしなくて」
「・・・・心配かけてしまったわね」
「貴女の異能は命に関わります・・・どうして、危険をおかして、織田作さんたちを助けてくれたんですか・・・貴女は僕の依頼の他にも、首領の依頼も受けていたはず」
「・・・・・・・・・・・・・」
Aは織田を見る
「・・・どうして、かしらね・・・・助けたかった・・・それだけ」
「・・・・・・・・大丈夫なんですか」
「えぇ、リンタロウさんの依頼は異能開業証を手に入れる事。それは既に果たされた・・・まぁ、対価は色々頂きましたけど」
何気なく携帯電話を見れば、着信が来ていた
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作者名:水琴 | 作成日時:2019年4月16日 7時