13）二年後 ページ14
織田が武装探偵社に入り、Aと共に日々の仕事をしていたある日の事
「作之助、ちょっと付き合ってちょうだい」
「あぁ、わかった」
事務作業をしていた社員に一声掛け、二人はビルを出て、待っていた車に乗り込んだ
「お疲れ様です、A様」
「えぇ、お疲れ様」
「A、どこに行くんだ？」
走り出した車
「洗い終わったものを迎えに行くのよ」
「！それって・・・」
意味ありげな笑みを浮かべるA
そして、着いたのは異能特務課の施設
「お待ちしてました、Aさん、織田作さん」
「ごきげんよう」
「安吾」
「どうぞ、こちらに」
エレベーターに乗り込み、地下に降りる
「織田作さん、探偵社はどうですか？」
「マフィアにいた時よりやりがいはあるな」
「それはよかった」
「みんな作之助を頼りにしてるわよ？」
「なら、嬉しいな」
目的の場所につけば、砂色の外套をまとった青年
「Aさん！！来てくれたんですね！」
「貴方が会いたいと言ったんじゃない」
「貴女の為に私頑張ったんですよ！」
「はいはい、偉い偉い」
高い所にある太宰の頭を撫でるA
太宰は無邪気に、嬉しそうに笑う
「・・・お前、そんな顔も出来たんだな」
「意外ですね・・・年相応というか」
「そこ、五月蝿いよ」
「フフッ・・・作之助、私は安吾と話をしてくるから、貴方はここにいなさい」
「あぁ、わかった」
「早く戻ってきて下さいね！Aさん！」
「本当、太宰くんは貴女に懐きましたね・・・」
「今まで縋るものがなかっただけよ、それで？」
「長官は渋っていましたが、貴女の側にいくなら、許可をくれそうです」
「まぁ、私を評価し過ぎではないかしら」
「そんな事はないですよ、貴女が手綱を持っていてくれるから、太宰くんや多くの異能者や協力者をある程度自由に出来るんです。我々が貴女に頼りすぎなんです、雪子さんにも、大変な思いをさせて・・・」
すみません、と申し訳なさげに俯く安吾
「あら、貴方が謝る必要なんてないわ」
Aはふわり、と笑う
「それも私達の仕事よ」
「・・・ありがとうございます・・・太宰くんと、織田作さんをよろしくお願いします」
「任せなさい」
Aはポンポンと坂口の肩を叩き、二人のもとへ戻った
手続きを終え、太宰は二人に連れられ、武装探偵社にやって来た
「私は太宰 治、宜しくお願いします」
Aの連れてきた事もあり、すぐに受け入れられた
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作者名：水琴 | 作成日時：2019年4月16日 7時
