異国の地で運命に巡り合えた話

#29 ページ29

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『…ねえ、アンナ』

『なに？…なんかあった？くらーい顔してる』




相変わらず我が家にやってくるアンナ

恋多き彼女に思い切って相談してみた





『…イシカワは、きっとかなりの勇気を出して言ったんでしょうね。
分かってるわよ、貴方がそう悩む事くらい。彼なら』

『試合…見るべき？』

『見たい？見たくない？』

『見たいけど…怖い』

『怖い？』

『…彼が言ったの。バレーボールを知らなくて、俺を知らない私が好きだ、って
純粋に石川祐希という人を見てくれる私がいい、って

でも…見てしまったらきっと変わってしまう気がするの
一歩引いて…バレー選手としての彼として…』



怖いんだ。

彼を今まで通り見れなくなってしまうのが




『…私の彼も言っていたわ。サッカー選手としての俺は別に好きにならなくていい
普段の俺を愛してくれたらそれでいいって
でも、好きな人には頑張ってる姿を見てほしいって

人の考えはそれぞれだけれど…イシカワも同じじゃないかしら
Aに、新たな自分を知ってほしいんじゃない？』

『アンナは見たの？試合を』

『見たわよ』

『何か、変わった？』

『…ますます、好きになった。頑張れっ…頑張れって好きな人を見て願えるのって素敵な事だと思わない？

知らない事を知るのはいい事よ。逃げたって何も始まらないわ
…大丈夫よ、貴方とイシカワなら！笑』

『…アンナ、一緒に来てくれない？』

『しょうがないわね笑 頑張って調整してみるわ』




そして祐希くんに連絡をすると、"わかった。ありがとう"と返事が来た




『日本に旅行！！どこ行こうかしら！！』

『…アンナ…』

『バレーを見て、観光しようね！！』

『…ふふっ笑 うん！！』





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