コートに舞う天才ペテン師

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そして運命のアメリカ戦




西田「…悔しい、っす。出たかった」

「しゃーないだろ。監督陣の判断だ」

西田「でもっ…」

「黙ってみてろ。んで、次戦うときにぜってー勝てるような策を考えろ」




全日本の黒いジャージを着て客席に座る

スタメンでは無く、ベンチメンバーからもあえて外された俺と西田

監督はこの試合の勝利を捨て、連日スタメンを飾った6人とは別のメンバーをコートに送り込んだ

祐希はユニフォームを着てはいるが、多分コートには立たないだろう


アメリカ戦よりも確実に可能性があるアルゼンチン戦に体力を温存するために





西田「…はえー…」



音が凄まじいボールがどんどん日本のコートに落ちていく



「やべーよ。1番の選手…アンダーソンはさ、この前までロシアで一緒にやってたんだけどさ」

西田「まじで？」

「おん笑 やっぱり違うよ、俺のスパイクと」

西田「…Aさんは世界で戦ってんっすもんね。やっぱりVリーグと違うんっすか？」

「全然違う。全員外国人だぜ？桁違いの」

西田「大変すか？」

「大変ではない。楽しいよ、めっちゃ
強さを肌で感じれるし、目で実際に見て勉強できるし。評価だってちょー辛口！
ネーションズリーグでのあのブーイングなんてしょっちゅう笑」

西田「…いいなぁ。楽しそう」

「Vリーグもいい。安定してるし

でも、Vリーグで勝つだけで満足だけはすんなよ
お前は世界と戦って、常に世界を意識しろ」

西田「…うん」

「だからまずは祐希と…まぁ俺が引っ張るから、お前は自由に羽ばたけ
責任は俺らが取るから、今のうちに自由に世界を感じろ


お前はきっと、俺と祐希を超えるから」





アメリカ戦はストレート負け

全く歯が立たなかった日本



悔しそうな顔がこの場所からはっきり見える





「メダル、とろうな」


そんな言葉を無視された笑




ヤツはなにも言葉を発さずまっすぐコートを見据えていた




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