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生まれつき、耳が聞こえなかったわけではない
10歳まで、普通に聞こえていた
会話もできたし、手話なんてしたことなかった
ある日突然、周りが無になった
なにも、なにも聞こえなくなった
大好きなお父さんの声もお母さんの声も
望がおねぇ！と呼ぶ声も聞こえなくなった
原因がわからないと言われ、すぐに手話の勉強を始めた
今まではすぐに伝えられたことも、文字や手話でしか伝えられなくなって
ーー毎日が、苦痛だった
でも、泣いてる私を助けてくれたのは望で。
頭がよかった望はすぐに手話を覚えた
そして久しぶりに会った流星も、いつのまにか手話を覚えてくれてて。
望と流星。この2人に凄く助けられた。
だから、神山くんの気持ちが嬉しかった。
必死に覚えようと、勉強してくれるのがとても嬉しかった
重岡くんも、ふつうの友達と変わらず接してくれた
大学生活がより楽しかった。
でも、やっぱり辛いこともある。
神山くんが綺麗な女の子と話をしていた
両手が塞がっても話せる。
目をつぶっても会話が成り立つ
…羨ましかった。
神山くんの声を聞いてみたかった。
私をなんて呼んでくれているか、聞きたかった。
神山くんに連れられてミスコンの出番を待てば、私の前には先程の女の子
さすがにわかる。彼女は神山くんが好きで
小さく空いた口で、私になにかを言っていて
それは多分、綺麗な言葉ではないことくらい。
「ーーっ、"おまたせ！"」
耳が聞こえない私は特別、望が隣を歩いてくれることになっていた。
だから、すっかり望だと思って顔を向けたら
"寂しかった？"
微笑む流星が居て。
"なんで？望は"
"あいつにお願いした。俺に歩かせてって。…ダメだった？"
"ダメではないけど…びっくりした"
"ほら、手握って。"
"…手を握ったら、もう"
"ん？どした？"
"…なんでもない"
望とは違った優しさをくれる流星。
そんな彼の手を取り、ステージに上がる
ーーなにも聞こえない。
わたしには、なにも聞こえない。
世界で、ひとりぼっちになった気がした。
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みこ(プロフ) - まりんさん» こちらも読んでくださってるんですね！ありがとうございます！！！期待に応えられるように頑張ります！ (2019年5月18日 23時) (
レス) id: c6a330bc5b (このIDを非表示/違反報告)
まりん(プロフ) - 面白いです！更新楽しみにしてます！ (2019年5月18日 21時) (レス) id: b59f2ee03b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：みこ
| 作成日時：2019年5月17日 14時
