第80話 その後 ページ31
その後、捕らえないとは言ったものの色々とあるのか、麗華は他の役人に連れられ会場を立ち去っていった。勿論、相手となった審神者ちゃんや彼女の刀達、和泉守と鶯丸も同様、役人に連れられていった。
今、この場に残っているのは私と榊のみ。
榊「まさか、審神者失格といった貴女が許すとは思ってもいませんでしたよ」
あ「そっちこそ、あんな冷酷非情な人間になれるとは思わなかったけれどね」
榊・あ「「あははははは」」
乾いた虚しい笑いが、響き渡る事なく静かな空間に音を立てた。そして暫しの沈黙を榊が断った。
榊「……和泉守兼定と、まるで共闘しているように思えましたよ。あの殺気といい霊力といい、流石としか言いようがないです」
あ「嗚呼、彼とは一度出会ってますからね。あれは彼の力でもありますよ。それなりに少しばかりではありますけど信頼もありますし。技は、互いの信頼がなければできないものですからね」
ふと会場を見て一つ疑問が浮上した。
それにしても、あれだけの数の審神者や刀剣達はどこにいったのだろうか。試合の終わりまでは居た。記憶を消すために扉まで封鎖したというのに、一人たりともいない。
榊「あ、観客はこちらで用意したCGですよ」
あ「お前はエスパーかよオイ」
榊「いや、胡乱げな表情で客席を見てられましたので」
にこりと笑う榊に思わずゾッとしてしまった。
こいつ、敵に回したら厄介なやつだな。
あ「人間は随分と進化したな、CGで立体感を出していたとは」
………うん?待てよ?
ならバトル前にあったナンパ野郎と勘違いした人は?あれは間違いなく生者だった。CG云々ではなかったのは確かだ。いや、そもそもこの会場にいたか定かではないが。
一人で悶々と考えていると、ふとした迫った殺気に抜刀して軽々と受け止めた。その暗殺紛いの相手を見た瞬間思わず半眼になった。
あ「何故ここに?鶴丸国永」
鶴丸「俺の主を呼びに来たついで悪戯で奇襲をとな。俺と君は初めてだぞ?」
何言ってんだ此奴と思いながら、私は榊を見た。
役「俺は主じゃねぇと何回も言わせるな」
鶴丸「よく使ってくれるだろう?」
役「うるせぇ」
あ「……え、榊サン審神者?」
鶴丸「いや、審神者ではないぜ」
私の問いに鶴丸が答える。
鶴丸「此奴は政府最高司令官、総督であり俺は政府の刀だ」
スパーッと平然と新たなタバコを出して吸っている相手に、驚愕を隠しきれない叫び声を上げたのはいうまでもない。
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十六夜 - えぇ、鶴丸落ちになりそうなんですが(汗)わたしは、三日月推しです!!! (2018年5月17日 3時) (レス) id: 625c8539c6 (このIDを非表示/違反報告)
十六夜 - 続きは、まだでしょうか?早く続きが読みたいです!! (2018年3月30日 11時) (レス) id: 625c8539c6 (このIDを非表示/違反報告)
瑞稀(プロフ) - うぉぉぉ!!!すごく面白いです!!!今後の展開も楽しみです! (2018年3月6日 22時) (レス) id: be8945b53e (このIDを非表示/違反報告)
白紫乃(プロフ) - とっても好きなお話です!更新お待ちしております! (2018年2月21日 20時) (レス) id: 43803e668e (このIDを非表示/違反報告)
霜月 - 鶴丸は、夢主が好きなんですね。でも、私としては三日月落ちがいいです!!三日月、大好きです! (2018年1月14日 15時) (レス) id: 51d1ba9355 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ミコ | 作成日時:2017年8月28日 12時