。 ページ7
「変われ、俺がやる。」
「分かった。」
私は恵と立場を交代し、すかさず佐藤さんの手を取り廊下に出る。
なるべく呪霊の姿を見せないようにはしたけれどそれでもこの出来事はトラウマになってしまうだろう。
まだ口を開けないままでいる彼女を改めて見つめてみると簡単な呪いが掛かっていることが分かった。
私でも解呪できるようなものだ。
ぱちん、と指を鳴らすとようやく声が出るようになったようで佐藤さんは私に飛びついた。
「お、っと」
「ありがとう、本当にありがとうございます！」
「いえ、あの、大丈夫ですか。」
「少し、怖いです。」
本当だ、手が震えている。辺りを見渡し、すぐそばに誰も人がいない教室を見つけた私はそこに入る。
安心させるように手を握りながら、向かい合わせで座ると佐藤さんはようやく落ち着いてくれたようだった。
「呪いを掛けられてた？」
「はい、はい。あの、私たち、肝試しに行った場所で、変な奴に襲われて、それで、」
「焦らなくても大丈夫。ゆっくりでいいですから。」
「…ハナが、目の前で、襲われて、気づいたときにはもう」
ハナ、というのは鈴木さんのあだ名だろう。そして佐藤さんの言葉からしてきっと彼女はもう。
「ハナの姿をそっくりそのまま映したあいつが、ずっと私の隣に、」
待てよ、それならばなぜ同じタイミングで佐藤さんに手を出さなかった？
こうして呪術師が彼女を救い出すことが出来るのだから、あらかじめ口封じをしておいた方が奴らは得なはず。
それをわざわざ生かしておく理由なんて、
「A！いますぐその場から離れろ！」
いつになく大声を出す恵、一体何があったのかと疑問を抱いたその瞬間
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 625人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ハイキュー」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
shinox2(プロフ) - 更新ありがとうございます！！ (2021年10月6日 0時) (
レス) @page31 id: 947326f28f (このIDを非表示/違反報告)
ハナ - すいません誤字ってしまいました...これからも頑張ってください！ (2021年8月14日 14時) (レス) id: a20e372e06 (このIDを非表示/違反報告)
ハナ - 前回の作品から来ました！めっちゃ続き楽しみです！これからも頑張ってくださ！！応援してます (2021年8月14日 14時) (レス) id: a20e372e06 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：巫女@桜 | 作成日時：2021年8月13日 0時
