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「森本?」
「…?
おー、侑くん。」
ひらりと手を振り、声を掛けてきた彼に挨拶を返す。
「昨日なんでおらへんだんや。」
「ちょっと体調悪くてさ、休んだの。」
「いまは平気か?」
「うん、大丈夫。心配してくれてありがとう。」
「ならええねん。」
「ねえ、後で昨日の分のノート見せてよ。」
「え?あ、あー。ノート、な。」
分かりやすく泳ぐ目。これはちゃんと授業を聞いていなかったな。
まあいい、私には銀くんがいる。問題児の集まりである2年生レギュラー陣の中で唯一まともともいえる彼だから、後で聞きに行くとしよう。
侑は椅子を後ろに引くとそのまま私と向き合うようにして座った。
「なに。どうした?」
「何かあったか?」
「え?」
「俺、人の変化には割とすぐ気づく方やねんで。」
ふふん、と得意げにあどけない笑顔を見せてくれた彼。
だけど目はしっかり真実を知りたがっていた。ちゃんと教えて、まるでそう言われているような気がする。
だが、私は本当のことを言える訳がなかった。昨日のあの出来事を話したところで、非術師の彼に何ができるというのだろう。
冷めていると思われるかもしれないが、これも彼のためだ。
「本当に体調悪かっただけだから。」
「…そぉか。」
これ以上聞いても私が何も言わないことを察したのか、侑がそれ以上何かを聞いてくることはなかった。
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shinox2(プロフ) - 更新ありがとうございます!! (2021年10月6日 0時) (レス) @page31 id: 947326f28f (このIDを非表示/違反報告)
ハナ - すいません誤字ってしまいました...これからも頑張ってください! (2021年8月14日 14時) (レス) id: a20e372e06 (このIDを非表示/違反報告)
ハナ - 前回の作品から来ました!めっちゃ続き楽しみです!これからも頑張ってくださ!!応援してます (2021年8月14日 14時) (レス) id: a20e372e06 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:巫女@桜 | 作成日時:2021年8月13日 0時