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「僕、探してたんだよね…僕と同じ種類の人間」

 …この人は危険だ。
 今すぐここから離れないと…

「…お姉ちゃん?」

 女の子は不安そうに私を見る。

「…丁度いいや。その子、殺そうか」
「な、何言ってるの、そんな事出来る訳ないでしょう!?」
「…出来るよ。だって君には素質があるんだから。本当は人を殺したくて堪らないんだろ?」

 そう言って彼が取り出したのは…農業用の鎌だった。

「…!!」

 これは…本気だ。
 この人、本気でこの子を殺す気だ。
 …確かに私は松井先生に、『反社会性パーソナリティ』の可能性があると告げられた。
 今まで、目の前の誰かを殺したくなってしまうことがあるのは一度や二度ではない。
 だけど私は、あの子と…唯ちゃんと出会って、少しずつ変わった。
 今まで、誰かを殺したい…そんな事を考えていたけど。
 でも、今は。

「…何でその子を庇おうとするの?君は僕と同じ人間の筈だろ?」

 私は女の子を庇うように抱き締める。

「確かに私は人を殺したいと思ってた。それは事実。だけど私…今は違うの」

 今はただ…目の前のこの子を、助けたい。

「この子に手を出さないで!!」

 私はそう叫んだ。

「何で?やっと…やっと見つけたと思ったのに…君は僕の仲間だと思ったのに…」

 男はそう言いながらこちらへ歩み寄り、鎌を振りかぶる。
 私は…私はどうなってもいい。
 だからせめて、この子だけは…
 そう思った時。

「止めなさいっっ!!」

 そんな聞きなれた声と同時に、目の前を何かが横切ったかと思うと…





 男の体は勢いよく飛んだ。

間に合いました。→←私の思い。



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クリオネf。t(プロフ) - 彼方さん» コメントありがとうございます〜!百合いいですよね〜。読み込んでくださって嬉しいです。 (2022年6月7日 14時) (レス) id: 65c7182010 (このIDを非表示/違反報告)
クリオネf。t(プロフ) - れいなさん» ありがとうございます!!亀更新ですが、頑張ります!! (2022年6月7日 14時) (レス) id: 65c7182010 (このIDを非表示/違反報告)
れいな - 黒島好きなので応援してます! (2022年6月4日 17時) (レス) id: 9244dafa1b (このIDを非表示/違反報告)
彼方 - 凄く面白いです!百合作品もあな番も好きなのでかなり読み込んじゃいました。更新待ってます! (2022年2月16日 18時) (レス) id: 2885df64f2 (このIDを非表示/違反報告)
クリオネf。t(プロフ) - シォさん» ありがとうございます!私は菜奈ちゃん推しですが、黒島ちゃんはその次に好きです。流石に最終回前に察したけど信じたくなくて現実逃避してた人です、はい。 (2021年11月15日 3時) (レス) id: 65c7182010 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:クリオネf。t | 作成日時:2019年9月9日 22時

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