嫌い？ ページ22
『きら…い……？』
するすると、手元から何かが落ちていくような感覚を味わう。
嫌い…嫌い………？
また、嫌われるの…？
『ご、ごめ、ごめんな、ざいぃ……。』
風船に括りつけられたまま泣きじゃくりながら謝罪をする。
嫌だ、これ以上嫌われたくない。
嫌だ、嫌だ、嫌だ。
ジョーカーside
精神異常者が俺の言葉を聞いた瞬間、ごめんなさい、ごめんなさいと謝罪を繰り返しだす。
正直ギョッとした。
赤目の頃の記憶はないのか…？
ジ「おい、泣くな！」
『うぇ、え…嫌い、にならな、いで……。お願いじまず…。』
グズグズと鼻を鳴らしながら…されど、風船に括りつけられていることはどうでもいいのか抵抗はしていない。
ただ、ワガママが通らなかったガキのように泣きじゃくるだけだった。
まぁ、実際ガキだけど。
やがて椅子の前まで来るがそれでも泣き止まなかった。
ジ「あーあー！分かったよ！！！嫌いにならないからよ！！！いい加減泣くのやめろ！！！」
泣く、という行動と言葉が昔の俺と重なりイライラとしてくる。
これだからガキは…！！
『……嫌いになりませんか…？』
その瞬間泣き声と謝罪がやんで、そう言われた。
ジ「ピエロが嘘つくと思うかァ？」
そう応えた。
すると、少しの静寂が周りを包んだあと、酷く安心したような声でそいつはこう言った。
『よ、よかった…！』
あまりの声色の変わりように、俺がもしもマジで嫌いになったらコイツ死ぬんじゃねぇのか？なんて思った。
ジ「…言っとくが嫌いじゃなくなったからって椅子に座らさないわけじゃねェからな。」
『別に座らせてもらって構わないですよ。』
命乞いのために謝罪をしていたのかと思っていたが、どうもそうではないらしい。
嫌われたくなかっただけ…なのか？
それじゃ、なんて言ってそいつを椅子に座らせた。
『…んぐっ！？』
椅子に座ると同時にAが目を見開く。
そして足をジタバタと動かし、多少ながら奇声をも発する。
とても、苦しそうに。
その様子を見て俺はギョッとした。
椅子に縛り付ける縄の力が強すぎるのか？
ジタバタともがいていたが、そのうちもがきが弱くなっていった。
『…おかあ、さ、ん………。』
涙を流して生気のない瞳をし、ぐったりとしたその少女はそのまま荘園へと飛んでいった。
その言葉を最後に、少女は飛んでいる間に叫ぶことはなかった。
俺はただ、ソイツのその様子に困惑と動揺、そして罪悪感を感じるしかなかった。
次あいつに会う時どんな顔して会えばいいんだ？
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M(プロフ) - ぐうたら猫さん» 報告ありがとうございます！最近更新してないのに読書して下さりありがとうございます！！！修正しておきますね (2019年7月6日 0時) (
レス) id: 07364ca25c (このIDを非表示/違反報告)
ぐうたら猫(プロフ) - ニャッスニャッス！誤字があったのでご報告に来ました。 祭司と占い師の中間、ハスターsideの台詞で信仰が進行になってました！ (2019年6月14日 1時) (携帯から) (レス) id: e6816c78e0 (このIDを非表示/違反報告)
M(プロフ) - コメント再度ありがとうございます！！！こちらこそ美味しいネタ提供ありがとうございました！！！！！ごちそうさまです！！！！！ (2018年12月25日 20時) (レス) id: 5e16966fb2 (このIDを非表示/違反報告)
ぐうたら猫(プロフ) - 美智子姐さんとヴィオレッタ嬢との絡み、めっさ可愛いです♪ バル爺ちゃんとの関係最高っした！ (2018年12月22日 10時) (携帯から) (レス) id: e6816c78e0 (このIDを非表示/違反報告)
M(プロフ) - ぐうたら猫さん» コメントありがとうございます！！！！じぃじと孫娘！？………良い関係だ……………。そのように書かせて頂きますね！ (2018年12月2日 16時) (レス) id: 5e16966fb2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：M | 作成日時：2018年10月13日 1時
