【A3!】酸化した舞台から飛び降りますっ！2 (ページ8)

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衣装の仮書きページ8

私はとりあえず、服を着替えてから幸の部屋に向かった。

『幸、入るよ』

幸｢どーぞ｣

『幸はいつもどうやって衣装を考えてるの？』

幸｢オレは脚本沿いにしてる事が多いけど｣

『それじゃあ、今回もそれでいこう』

幸｢A出来るの？｣

『……頑張る』

私と幸は鉛筆を手に握り白紙に書いていく。

幸｢どう？A、終わった？｣

『うん、とりあえずね』

私は幸にデザインの仮書きを渡す。……なんだろうこの感じ、緊張する。

幸｢………いいじゃん｣

『……よかった』

幸｢これ、赤色？｣

幸の言うこれとは幸の衣装の装飾のことだ。

『うん。幸の瞳の色は暖色系の色に近いから、それを差し色にしてみたらどうかな？って思ったんだ』

幸｢ふーん｣

『やっぱり、シフォンやサテンとか使った方がいいよね？』

幸｢まぁね。やっぱりそっちの方が、雰囲気がでるし、いいんじゃない｣

こんな感じで、私と幸は必要な布の種類と装飾の数など色々なものを書き出した。

幸｢A、ありがと。これから調整もあるからちょくちょく変えていくと思う｣

『こちらこそ勉強になった。ありがとね。じゃあまた明日ね、おやすみ』

幸｢うん、おやすみ｣

私はそう言い、幸の部屋を出て自室に向かって歩いた。

部屋の前に誰かの人影があった。あれは…………？

『天馬？』

天馬｢A！｣

『どうかしたの？私に何か用？』

私がそう言うと天馬はバツの悪そうな顔をした。

『……とりあえずどうぞ？』

私は天馬を部屋にあげることにした。

天馬｢お、お邪魔します｣

何故か敬語の天馬。緊張してるのかな？

天馬｢(女の部屋なんて初めてだ。どうすればいいんだ……？)｣

『ここ座って』

天馬｢お、おう｣

『それで？こんな時間にどうしたの？』

天馬｢A、リーダーとしての考えとかいうの、まとめてきてやった｣

『も、もしかして今までずっと考えてたの……？』

私が幸の部屋に入ってから一時間半は経っている。
その間、ずっと考えていたってこと？

天馬｢Aが考えろって言ったんだろ｣

『意外と真面目なんだね』

天馬｢意外は余計だ！｣

『えーっと、その考えって何？』

天馬｢とりあえず、全員で寝てみる。そーすりゃ良いらしい｣

『……一緒に寝る？』

天馬｢リサーチに基づいた結果だぞ！これでも何か不満か！｣

『それ、すごく良い案かも』

天馬｢ふん、当然だ。オレが考えたんだからな｣

そうと決まれば準備しないと…。