天馬が降板……！？ ページ49
幸｢何、お客さん？｣
椋｢めずらしいね｣
一成｢誰、誰〜？｣
三角｢しらない人〜｣
談話室にゾロゾロと入ってきた夏組メンツ。その中には天馬もいた。
『あっ、天馬…』
天馬｢……井川？｣
井川｢あ、天馬くん！｣
天馬｢井川、ここには来るなって言ってあっただろ｣
井川｢し、しかし……｣
しどろもどろになりながら受け答えをする井川さんに疑問を感じた。
『天馬、ちょっと待って。話、聞いてあげようよ』
天馬｢………分かった｣
私の言葉を聞いて渋々といった表情で納得した天馬。
井川｢ご両親に劇団のことがバレてしまったんです！｣
天馬｢……何？｣
いづみ｢え！？ちょっと待って！？
バレたって、そもそも私、ちゃんと連絡したよね？｣
多分、私が至と話している時の事だ。
天馬｢……｣
井川｢いえ、ご両親に入団のことは伝えておりません｣
いづみ｢だって、留守電に入れて…｣
井川｢あ、あれは私の番号です。天馬くんに口止めされてまして……｣
『どうして…』
天馬｢……両親がいない間は、井川が保護者代わりみたいなものだから、問題ないだろ｣
天馬｢どうせ、海外にいる時は連絡なんてつかないんだから、いないも同然だ｣
そうやって言う、天馬の横顔はとても寂しそうなものだった。
『………』
井川｢それが、お父様が帰国なさっているのです｣
天馬｢父さんが…？｣
井川｢今回の舞台の為に映画のオファーを断ったことを知って、《ショボい舞台より映画を優先しろ》とのことです…｣
天馬｢何、勝手なこと……！｣
『はいはい、落ち着いてね。
天馬、ご両親とちゃんと話さないとダメだよ』
天馬の肩をポンと叩き、落ち着かさせる。
天馬｢ずっとほったからしだったくせに、こんなときだけ口を出すなんて｣
井川｢天馬くんが帰ってこないなら、直接ご自身が乗り込むとーー｣
天馬｢ーー｣
『ほら、天馬』
天馬｢……分かった。一旦家に帰る｣
井川｢……というわけで、たいへん申し訳ないのですが、今回の舞台は代役を探していただくということで｣
突然、井川さんに爆弾を投下された。
鈍器で頭を殴られる衝動にはしった。
椋｢ええ！？｣
一成｢ちょ、ちょ、テンテン降板！？｣
幸｢はあ？｣
『……う、そ…』
天馬｢何言ってんだ！｣
井川｢しかし、お父様が……｣
天馬｢もういい！オレが直接説得する｣
天馬、大丈夫かな……？
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 303人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ろい
| 作成日時：2018年6月30日 23時
