大学生カメラマン ページ36
支配人｢はい、みなさんこっち集まってくださーい！｣
支配人がそう言い、衣装を着た夏組のみんながゾロゾロと歩いてくる。
天馬｢……ぴったりだな｣
椋｢ど、どうかな？｣
幸｢悪くないんじゃない｣
一成｢ゆっきーも似合う！｣
三角｢みんなひらひら、ぴかぴか〜！｣
『こうして衣装着て並ぶと壮観だね』
私は素直に思ったことを口にする。
幸の衣装も仮書きの時よりももっと良くなっていた。
支配人｢それじゃ、カメラマンさん呼んできますね！｣
幸｢あれ、今回は支配人が撮るんじゃないんだ｣
『前は支配人が撮ってたの？』
幸｢そう｣
一成｢オレっちがNG出した！｣
『え？そうなの？』
一成｢春組のとき、写真の解像度が低すぎて、ごまかすの大変だったんだよ〜！｣
一成｢ゆっきーの衣装の良さもわかんないし！｣
私は春組公演のロミジュリのチラシを思い出す。
『そういえば写真、小さかったね』
一成｢あの解像度で印刷はムリっすわ〜｣
支配人｢お待たせしました！カメラマンの伏見臣さんです！｣
支配人の後ろには大きい男の人。
見た感じは大学生、かな…？
臣｢……ども｣
『えっと、よろしくお願いします』
幸｢大学生っぽいし、プロじゃないよね。
なんか若いけど、大丈夫なの｣
『………』
それ、幸が言っちゃうんだ……。
天馬｢中学生で衣装やってるお前が言うな！｣
臣｢はは、たしかにプロじゃないよ。
大学の写真部で、綴に頼まれたんだ｣
臣｢でも、ちゃんと仕事はするからさ｣
幸｢ふーん｣
『綴の友達だったんだ…』
まぁ、大学生って言ったら綴と一成だけだし…。
納得かも。
臣｢それじゃ、まずは全体写真から撮ろうか｣
臣｢ーーよし、と。一応画面でチェックしてくれるかな｣
『わ、すごい……』
一成｢お、いい感じ〜｣
三角｢いいね〜！きらきら〜！｣
椋｢みんな、かっこいい！｣
天馬｢まあ、こんなものじゃないか｣
一成｢写真使いまくって、サイトリニュしちゃお｣
幸｢ただの写真部のくせに、結構ちゃんと撮れてるじゃん｣
『……すいません』
臣｢はは、大丈夫ですよ。それじゃ、データは後で送るから｣
一成｢よろ！｣
『あの、ありがとうございます。お疲れ様でした』
臣｢あ、帰りにちょっと劇場の方、見てもいいですか？｣
『劇場、ですか？……分かりました。案内しますね』
臣｢すみません｣
どうして劇場に……？
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作者名：ろい
| 作成日時：2018年6月30日 23時
