酸化した舞台から飛び降ります。【A3!】

どこかで見たことがある顔 ページ9

？｢す、すみません！何度か声をかけたんですけど……｣

幸｢……あれ？｣

いづみ｢気づかなくてごめんね。何か用かな？｣

？｢あの、オーディション会場ってここですか？｣

いづみ｢そうだけど……もしかして、夏組団員募集オーディションに来てくれたの！？｣

？｢は、はい。よろしくお願いします……｣


ずっと男の子を黙って見つめていた幸が、口を開いた。


幸｢向坂、オーディション受けるの？｣

向坂君｢え？瑠璃川くん……！？｣

『幸、知り合い…？』

幸｢同級生｣

『偶然だね』

幸｢向坂が演劇に興味があるなんて知らなかった｣

向坂君｢う、うん、受けるだけ、受けてみようと思って……瑠璃川くんも？｣

幸｢オレは衣装係してた関係で声かけられた｣

向坂君｢すごいな、瑠璃川くん｣

幸｢別にすごくないよ｣

向坂君｢ボクはきっと不合格だと思う……｣


このままだと、人数割れで全員が合格だと思うけどね…。


いづみ｢それじゃあ、ひとまずオーディションを始めようか。幸くんと一成くんも一緒に参加してくれるかな｣

一成｢りょ｣

幸｢わかった｣

向坂君｢よろしくお願いします…！｣


オーディションを始めようとしたその時に＿＿＿＿＿＿


？｢おい、オーディション会場ってここか？｣


雰囲気だけで分かるほどの、偉そうな人が来た。
…でも、どこかで見たことがある顔だ。


『あの人って……』

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