４０．がんばらない ページ3
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静寂に包まれた中で私と兄さんの瞳が交差して次第には睨み合う。
「お前には合わないから辞めた方がいいよ、本気でやってる奴らの迷惑だし」
「なんでそんなこと言われなきゃいけないの」
「俺に喧嘩売ってんの？馬鹿な妹ちゃん」
「愚図な兄さんが私に指図しないで」
帰ってきたと思えば辞めろ、とか。
…………本気でムカつく、あんたに何がわかるの。
兄さんはお得意のヘラヘラした笑みを見せて監督達の前までスタスタと歩いて行く。
「すいませ〜ん、ウチのノロマな妹が邪魔しちゃって」
「お前…白鷺のジジイのとこの孫か」
軽く謝った(と言っても意味不明な謝り方をした)兄さんに対して声を上げたのは鷲匠監督。
私たちのおじいちゃんの話が出たことをきっかけに兄さんが笑顔を崩した。
「……えーっと、あ、鷲匠監督ですよね！
祖父と関わりがあったんでしたっけ？」
「世話になったからな」
兄さんの笑顔が固まったのを見て、私はやっとの事でスコアが書いてあるノートを拾い上げた。
「こんな強敵いるの、聞いてないんだけどなぁ……。
すみません、今日はもう帰りますね」
「妹はいいのか？」
「あ〜……はい、愛しの妹に睨まれちゃったんで。
また出直しますー」
そう言って兄さんは身勝手に体育館から出て行った。
それを見届けたと同時に一気に息を吐き出して思わずしゃがみこむ。
あー、心底気持ち悪い。
「…………スミマセン、ちょっと外に出て良いデスか」
「5分で帰って来い」
「はぁい」
監督の言葉に無言で頷いて、ジャージから手も出さずに扉を開けて外に出た。
どうしよう…スマホ取る時間も無いし、聞くに聞けない。
あの人だけには絶対に言わないでって言ったのに。
「……やだ、何のために来たの、ほんと、ばか」
壁にズルズルと背を合わせてそのまま座り込んで、足を三角に折り込んで顔を隠す。
グズでノロマな妹。
兄さんはそう言った。別に間違ったことは言ってないし、でも逆にそれが正しいと言われると微妙で。否定は出来ない。
「……『サクマ』とかほんと、ムカつく」
スマホのロック画面、更にその先。検索履歴にあるカタカナ3文字を消した。
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黒猫。(プロフ) - 白鷺ちゃんのキャラめっちゃ好きです！お話もとても面白かったです！更新頑張ってください！応援してます！ (2022年2月11日 19時) (
レス) @page13 id: abf8c53ec1 (このIDを非表示/違反報告)
元薺(サイ)だった者(プロフ) - 初めまして！繰り返し読ませてもらってます！！あの、気の所為だった申し訳ないんですが白鷺兄妹の過去というか因縁ってあんスタの朔間兄弟をイメージされましたか？とても好きな設定で何回もこの小説読んじゃいます！これからも無理せず頑張って下さい！ (2021年10月24日 21時) (レス) @page11 id: 5a1541447c (このIDを非表示/違反報告)
あまね(プロフ) - 1話1話の内容が読み応え(濃くて)があって、読んでいると時間を忘れる作品でした！更新頑張ってください（ｹﾗｯ､､､一気読みしちゃった笑 (2021年9月1日 21時) (レス) id: 1a6dd63888 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ろい
| 作成日時：2020年6月29日 21時
