4回目 ページ4
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授業中。
今は数学の時間で目の前で先生が式を書いている。机の上にあるノートにそれを写しながら解き方を考えていると途端に目の前が花子さんの顔でいっぱいになった。
「あれれ、驚かないの？なーんだ、失敗失敗」
「…………」
叫びそうになった口を無理やりに抑えて声は出さずに済んだ。
周りにふよふよと浮いて授業妨害をしてくる花子さん。
隙を見てキュッと袖口を掴んでなんとか動きを止める。そしてノートの余白にシャーペンを滑らせて文字を書いた。
「んーと、なになに？
どうしてここにいるの、って……なんでだと思う？」
まさかの問いを問いで返されるとは。
数秒間だけ考えて分からない、と書くと逆さまになった花子さんはいたずらっ子のようにえへへっ、と笑った。
「正解はー…朝からそういうコトしたいなぁって思ったからでしたーっ」
上から鼻をカプリと噛まれて声にならない悲鳴が出た。
「折角教室にいるんだからさ、もーっとスリル楽しまなくっちゃ損じゃん」
鼻から口を離した花子さんはそう告げた。
ちゃんとまだ鼻がついているか確認する為に鼻を触ると大丈夫だった。
でも鏡見てないからなんとも言えないけど歯型らしきものがついているようなついていないような。
それから花子さんの行動は酷かった。
いつもみたいに後ろから抱きしめたりするならまだしも何の予告も無しに太ももを撫でてきたり、地べたに座って太ももを枕にしてきたり……。
「俺さ、Aの太もも好きなんだよねー。
白くてぷにぷにしててすべすべで、なんかえっちだし」
「…………」
無言で花子さんを殴ろうとするとスイッと避けられる。
あろう事かそのまま手を取られ、誰もいない教室で身体を引き寄せられた。
「えっちなところ、いっぱいだね。ほーんと俺が誘惑されてるみたい」
別に私が望んだわけじゃないのに…！
人の気も知らないでケラケラ笑う花子さんを見て教室から出ようと扉の方へ進むと掴まれていた手を引っ張られた。
「案外、学習能力無いんだね。
俺が引っ張ったらAの嫌いな密着状態になるって分かるデショ？それともー…俺とそんなに密着したかった？」
「そっ、んなわけっ、！」
言葉を発している途中にちゅっ、とキスをされた。
右手は花子さんの手と繋がれてて左手はフリー。逃げようと思えば逃げれたはずなのに。
花子さんはカーテンで揺れる壁を作り、周りから見られないようにキスをしたのだ。
「いつだって俺が虫除けしてないと、サ」
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作者名：ろい
| 作成日時：2020年1月21日 0時
