融解。【地縛少年花子くん】 (ページ3)

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3回目ページ3

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「……誰か来たのかな？」

「ッ、…………」

いつもより少し低い声で囁かれ、身体の力が抜けかける。

「声、ガマンしてね」

首筋が終わったと思えば今度は耳。
形をなぞるように舌で撫でられたり耳たぶを甘噛みされたり、好き勝手にイジられる。

「ひっ、やあっ、！」

「んもー、気付かれちゃうよ？別に俺は大歓迎だけどさ」

「っん、むぐっ、」

口元に優しく手を当てられ、塞がれる。
聞こえるような声が出ない代わりにこもった声と吐息が半開きの口から漏れかけた。

「耳、まだ弱いんだ」

違うって言いたいのに言えない。
せめてもの抵抗のように首をフルフルと振っても花子さんは知らんぷり。

なぜか立ってられなくなって花子さんの学ランをおもむろに掴む。

「はいっ、今日はこれでおーわりっ！」

やっと耳から口が離され、そう言われたところで羞恥心が今になって襲いかかってくる。

花子さんに文句のひとつでも言ってやろうと思ったけど口を塞がれてて何も言えない。

「んんっ、んー！」

「ん？…あ、忘れてた」

そうは言いつつ離す気配は毛頭ない。
あろう事かそのまま私を見つめてニヤニヤと笑い始める。

直感的にする嫌な予感が否めない。

「口塞がれてるのに喋ろうとするその声ってなんかちょっとえっちだよね、明日こそシちゃう？」

「っ、ふざけないでっ！」

「えー、心外だなあ。俺は至って真面目なんだけど」

なんとか手は離してもらったし、後は抱きしめられているこの身体から手を離すだけ。

「もう帰っちゃうの？やっぱりちょっと早すぎない？もっと俺と楽しいコト、シたいなぁとか思わない？」

「思わない！」

「あーんな可愛い声出してて思わないとかさ。
……ウソツキさん」

それからすぐ側で私の媚びた声が聞こえた。
カァッと上昇する体温と顔の温度に動揺を隠しきれなくて口を開いた。

「な、な、……」

「あ、これ？上手くできたと思うんだよねー、これでいつでもAのかわいー声聞けるし超名案」

消して、消せ。今すぐに。

手を握りしめて花子さんを睨むと歳相応の顔でニコリと笑われた。

「ほら、そろそろ帰らないと知らないヨー？それとも俺と一緒にいる？」

「……帰る！」

「そ、ざーんねん」

ウソツキは花子さんじゃん。
全然なんともなさそうな顔しててよく言うよ。

「あ、つけ忘れてた。
消えないよーに、ね。じゃあ、また明日」