融解。【地縛少年花子くん】 (ページ16)

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16回目ページ16

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「っな、にこれ」

手を動かしても全然動かないし自由が効かない。顔を少し上にあげて見てみるとそこには赤い縄らしきものが見えた。

「コレで抵抗できないデショ？」

首筋に冷や汗が伝う。

手首を縛られた状態で逃げられるかって言われたらほぼ不可能。
でも大人しくつかさくんの寵愛を受けるのこそ気が狂うと思うし隙を見て逃げ出すしかない。

「んっ、ふ…にゃ、に」

つかさくんはどこか艶めかしく笑った後に、半開きになった口に手を突っ込んで器用に舌を摘んだ。

「舌のキョウイク。
カタカナ、深いちゅーのしかた下手なんだもん。オレねカタカナのちゅーで感じたい」

指のハラで舌を押されて絡まされてまた摘まれる。
唾液で濡れている人差し指と親指をペロリと舐めて、ついに唇をくっつけてきた。

思ったよりも軽い感触に目を見開くと同時に口の中につかさくんの舌らしきものが入ってきた。
リップ音に混じって唾液と舌が絡み合う音が聞こえて頬が熱くなる。

「っふ………じょーずっ」

囁くような声で舌っ足らずにそう言われ、ピクリと肩が揺れた。

「今ので感じちゃったー？…えっち、」

両頬には交互にキスをして物足りない、とでも言うようにふにふにと私の唇を触り始めた。

「やぁわらかい。
カタカナってマシュマロで、できてるみたい」

唇、頬、二の腕、手、腰、太もも、ふくらはぎ。

順番に触っていくその手つきがくすぐったく感じるし、背中辺りがゾワゾワする。

「もっと柔らかいトコロ、見つけちゃった」

あばらの周辺を触っていたつかさくんの手がどんどんと上に上がっていく。
その手がついに胸元まで到着すると今度は喉の真ん中辺りからゆっくりと手を下ろされて数センチ横に心臓がある部分で動きが止まった。

その瞬間にドクンと心臓が鳴って、頭の中が何かで埋まる。

「やらっ、」

「いやじゃないヨー、カタカナはオレを否定しないで？ほら、もっとちょーだいって言って」

目をぎゅっと閉じてただ何かに縋るように否定し続けた。

それを全て押しつぶすようにぎゅうっと潰れそうになるくらい抱き潰されて偶然にも空いていた口で胸元にあるリボンをしゅるしゅると外されていく。

「やだ、だめ、」

「いらないの？」

「…………うん」

葛藤の末に出した答えはそれ。

否定すればするだけつかさくんが不機嫌になるのは分かってるけど今だけは自分の貞操の方が大事に思えた。