BTSの長男の日常短編集 2

思い【JM】 ページ10

僕は練習室にいた、何も考えたくなくて、泣いてはれている目も冷やす気にもならず、ただひたすら鏡の前で踊っていた。



周りの人はみんな僕を練習の虫だと言う。けど僕はヨンジュニヒョンこそ練習の虫だと思う。ただあのヒョンは絶対に倒れるまではやらない。メンバーたちには絶対迷惑をかけないよう自分をコントロールしている。中学生の時に両親をなくしたと言っていたから全部自分でやる癖がついているのかもしれない。

そしてヒョンは感情隠すのがとてもうまい。ヒョンのことを1番わかっているのは悔しいけど僕じゃない。ヒョンが辛いときジニヒョンが1番に駆けつける。それを見て僕も駆け寄るんだ。僕がテヒョンアの異変にすぐ気づくようにヒョン達も同い年で通じる何かがあるのかもしれない。

カトクの着信音が練習室に響き僕は我に返った。 水を飲みながらメッセージを見てむせる。


ヨンジュニヒョンジミナへ
ヒョンは今 日本にいます。思う存分踊ったら日本においで。もちろん来たかったらだけど…。僕の位置情報送っておくからね。来たくなったらおいで。くれぐれも無理だけはしないように。倒れるまでやっちゃダメだよ。サランヘ、ジミナ。


「・・・はあ!?」


一瞬思考停止したが位置情報を見てうそではないことがわかる。これが同じようにみんなにきてるとしたら…。急いで準備して空港に向かう親友の姿が思い浮かぶ。


「テヒョンア！ちょっと待って!僕も行く!!」


練習室を飛び出して走りながら電話する。鏡で見た魂の抜けたような顔の僕はもういなかった。

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