不機嫌な彼を攻略するには２ (ページ2)

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ひとりにしないでページ2

Asaid

その時、誰かの足音が聞こえて、犯人がそちらを向いた。

て「なに、やって…
っ……A！？！？
…てめぇAに何してんだよ！！！」

そこにたまたま通りかかったのは、てっちゃんだった…

捕まるとまずいと思ったのか、犯人は私を置いてそのまま逃げていった。

てっちゃんは犯人を追いかけようとしたけど、すぐ私のもとに駆け寄ってきてくれた。

て「A！？
大丈夫！？
なにされた？」

『てっ、ちゃん……泣』

て「すぐ近くに車止めてるから、そこまで歩ける？」

着てたシャツを肩にかけてくれて、震える私を支えながら車まで連れていってくれた。

て「大丈夫？
寒くない？
なんか温かいもの飲む？
買ってこようか？」

そう言うてっちゃんの袖を、反射的に掴んでしまった。

『ひとりに…しないで、ください……』

て「っ…ごめん。
どこにも行かないよ。」

少し驚いた顔をした後、優しい表情で頭を撫でてくれた。

てっちゃんの手から伝わる温もりに、少しだけ震えがおさまった気がした。

そこからどれくらい時間が経ったか分からないけど、てっちゃんは何も聞かずに、ただ隣にいてくれた。

『あの…助けてくれて、ありがとう、ございます…』

て「うん。
怖かったね。
よくがんばったね。」

『てっちゃん、来てくれなかったら…わたし……』

て「ごめんな。
もっと早く通ってれば。」

たまたま通りかかってくれて、助けてくれたのに、眉毛下げながら話すてっちゃん。