710話 ページ10
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｢蓮巳くんの気持ちがようやく理解できたぞい｣
｢あれを危険と言わなくて何と言う｣
すると、彼は微笑んだ
｢いいや。あれはまさに救世主じゃよ｣
｢しかし一歩間違えれば、また数年前の悲劇が…！｣
｢蓮巳くんは、Aを信用しておらんのか？｣
そう質問すると、彼は歯を食いしばった
否定したいけど、肯定もできない
そんな彼を安心させるかのように、また微笑む
｢蓮巳くんは心配しすぎじゃ｣
｢…｣
｢まぁ、心配になる気持ちも分かるがのう。あやつには少し人前に出られない事情を持ち合わせておる｣
｢…？何だそれは？｣
｢それを口にするのはタブーというやつじゃよ｣
彼女の名前を外で出してはいけないことを、彼は理解していた
それは彼が朔間家だから知っていた
なんてことは、きっと彼も気づかないだろう
そのまま彼は続けて話す
｢しかし、蓮巳くんには伝えておくべきかのう｣
｢さっきから何の話をしている｣
｢故郷にとって裏切り者の、アイドル界の救世主。そんな彼女に託されたのがAなんじゃよ｣
｢裏切り者？救世主？｣
頭にはてなを付ける彼をよそ目に、窓の外を眺めた
そこには綺麗な三日月が一人寂しく光っていた
｢あの様子だと、いずれ裁きが下るじゃろう。そして混沌の時代は再び訪れるはずじゃ｣
｢…？｣
｢可哀想に。彼女はただ生まれてきただけと言うのに｣
その目には哀愁が漂っていた
｢彼女が危険異分子ではないことを、せめて我輩たちだけでも認めてなくては。そして共に願おう｣
｢…｣
｢悪魔と天使の間に生まれてきた、迷える子羊の平穏を｣
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赤月 音(プロフ) - ミズキさん» 嬉しいです！かなり長編ですが、最後までお付き合いください！！ (2021年12月27日 19時) (
レス) id: 2f5f5d572a (このIDを非表示/違反報告)
ミズキ(プロフ) - 面白いです♪こんなに長く書けるなんて尊敬しかない！！ (2021年12月27日 12時) (レス) id: 5cf73cb0ec (このIDを非表示/違反報告)
赤月 音(プロフ) - 碧生さん» ありがとうございます！！これからも頑張ります！ (2021年3月1日 15時) (レス) id: 2f5f5d572a (このIDを非表示/違反報告)
碧生 - 凄い面白かったです！！これからも応援してます！ (2021年2月28日 10時) (レス) id: 7ffc4172b1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：赤月 音 | 作成日時：2021年2月24日 7時
