718話 ページ18
✩
最初に映ったのは、赤ちゃんを抱えるよぼよぼのおばあちゃんだった
この赤ちゃん、もしかして私?
「この人がAのひいばあちゃん。通称ゴッドマザーよ」
「こ、この人が…それじゃあ、隣の人って!」
「朔間さんね」
このおじいちゃんが、朔間さん…!
朔間さん…ひいじいちゃんは、私の顔を覗き込んでとても幸せそうに笑っていた
動画越しでも伝わる
なんて素敵な家族なんだろう…
『んん?ばあちゃん、なんで泣いとんの?』
『あぁ、違うんや…Aの成長を見届けられやんことが、悲しいと思ってなぁ』
『ふ〜ん…』
「…あれ?」
ひいじいちゃん、さっきから動いてないような…?
何故かひいじいちゃんは、ひいばあちゃんの手を握ったまま微動だにしなかった
ひいばあちゃん、こんなに泣いてるのに…
『A。よぉ聞くんやに』
『どんだけ言うんそれ…聞き飽きたんやけど』
『わがままでもええ。間違えてもええ。せやけど自分に嘘ついたらあかんで…何がなんでも自分を貫くんや』
「…」
『A、あんたは好きなことをいっぱいするんやで。そんで、ぐんぐん成長してなぁ…』
「…!!!」
私が覚えてる記憶に、確か全く同じ台詞があった
現実で、本当に言ってたんだ
これだったんだ…
ひいばあちゃんは笑顔で目を瞑ったまま、片手でひいじいちゃんの手を握り、もう片方の手で私の頭に手を置いていた
『おとといもその前も言うとったやんそれ』
『…』
『…ばあちゃん?じいちゃんも、二人してなんで黙るん?』
「っ…!」
『う、嘘やん…ばあちゃん!!!じいちゃん!!』
『ただいま〜。おっ、お二人とも来てたんですか!』
『ばあちゃんと、じいちゃんが…』
その後、慌てた様子のお母さんとお父さんが騒いでいた
あれが、最後の最後…だったの…?
7人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
赤月 音(プロフ) - ミズキさん» 嬉しいです!かなり長編ですが、最後までお付き合いください!! (2021年12月27日 19時) (レス) id: 2f5f5d572a (このIDを非表示/違反報告)
ミズキ(プロフ) - 面白いです♪こんなに長く書けるなんて尊敬しかない!! (2021年12月27日 12時) (レス) id: 5cf73cb0ec (このIDを非表示/違反報告)
赤月 音(プロフ) - 碧生さん» ありがとうございます!!これからも頑張ります! (2021年3月1日 15時) (レス) id: 2f5f5d572a (このIDを非表示/違反報告)
碧生 - 凄い面白かったです!!これからも応援してます! (2021年2月28日 10時) (レス) id: 7ffc4172b1 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:赤月 音 | 作成日時:2021年2月24日 7時