レポート43・噛みついた ページ43
衣更side
凛月のやつ、心配だな…
あんなに怒ってる凛月の顔、久しぶりに見た気がする
｢…ん？｣
｢ふふっ、毎日楽しそうで良かったです｣
｢うぅ…お父さんとお母さん、いつ帰ってくるのかな｣
｢もうしばらくの辛抱ですよ｣
そういうことだったのか
Aちゃんが買い物袋を渡すと、お手伝いさんらしき人は頭を下げていた
お嬢さまなのは本当だったんだな
｢本当にここまでで良いんですか？｣
｢はい！今はゆっくり休んでください…♪｣
｢お嬢さま…！早くお嬢さまと過ごしたいです！｣
｢あはは、私もですよ〜♪｣
お手伝いさんと仲良いんだな…♪
二人が別れると、向こうから誰かがこっちに来るのが見えた
｢あれ？凛月くん？｣
｢(凛月？今は寮にいるはずじゃ…)｣
｢り、凛月くん…だよね？｣
｢…｣
｢な、なんで返事してくれないの？私怒らせることした？｣
困惑してるAちゃんのことを気にも止めずに、凛月はそのまま近づいていった
なんだ？
凛月の様子がおかしいぞ
｢り、凛月くん？ね、ねぇ…いたっ！｣
｢なっ！？｣
Aちゃんの両肩を掴むと、凛月はそのまま首に噛みついた
お、おい…
あいつ、マジで何やってるんだよ！？
俺は慌ててその場に駆けつけた
｢おい凛月！！お前何し…｣
｢おめぇ何してんだよ！！！｣
｢うぐっ！？｣
｢ぎゃあああああ！！衣更先輩！大丈夫ですか！？｣
｢な、なんで衣更先輩がここに！？｣
凛月を引き離した俺に向かって、Aちゃんのお友達が思いきり突撃してきた
くそう…なんで俺なんだよ…！
そうだった、こいつらもAちゃんのこと見てたんだった！
｢衣更先輩！漫才してる場合じゃないですよ！｣
｢最初からしてねぇよ！！｣
ラッキーアイテム
りっちゃん
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作者名：赤月 音 | 作成日時：2022年3月8日 8時
