癒し系彼女と居眠り王子【朔間凛月】

レポート19・御令嬢 ページ19

衣更side



｢…ん？｣



あそこにいるのって…

天祥院先輩とAちゃんが何か話してる

ていうか、なんでAちゃんがテレビ局にいるんだ？



｢それじゃあ、頼んだよ｣

｢あ、あの…天祥院先輩｣

｢あれ？やあ、真緒じゃないか。偶然だね｣

｢本当ですね。その、天祥院先輩って今の子とどういう関係なんですか？｣



いきなりこんなこと聞くのは、失礼だけど…

でも、どうしても気になるんだ！



｢彼女は、天祥院くんたちと同じ世界に住む人間じゃよ｣

｢さ、朔間先輩！？｣

｢まぁ、天祥院くんには遠く及ばん御令嬢じゃがのう｣



あの子、お金持ちだったのか！？



｢それが理由で、今も海外に…むぐっ｣

｢朔間くん♪｣

｢…？海外に、なんですか？｣

｢いや、真緒は気にしなくていいよ｣



そこまで言って止めなくても…

それにしても、Aちゃんがお金持ちだったなんて

確かにこの前のコンサートも、凄く高そうなドレスを身につけてたもんな



｢それより、真緒はこんなところで油を売ってて良いのかな？｣

｢あっ、そうだった！次の会議に向かわないと！｣

｢ふふっ、君はいつも忙しいね｣

｢あはは…余計なお世話ばっか焼いてますから｣

｢楽しそうで羨ましいよ｣



そろそろ行かないと、遅刻しちまう

俺は二人に挨拶をして、すぐにその場から立ち去った




｢我輩の家でお留守番させてるだけ、と彼に伝えなくて良かったのか？何やら調査しておるようじゃし｣

｢こっちのほうが面白いじゃないか♪｣

｢まったく…Aさんもとんだ災難じゃのう｣

｢災難だなんて思っていないさ。彼女は凛月くんにご執心だからね…♪｣



もちろん俺は、二人の重要な会話を聞くことはなかった

レポート20・うさぎのここちゃん→←レポート18・居眠り王子

ラッキーアイテム

りっちゃん

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す