レポート17・二枚のチケット ページ17
衣更side
｢なんで教えてくれなかったんですか！！｣
｢あはは…自分から言うのもなんか自慢っぽいだろ？｣
｢衣更先輩がイケメンなのも納得ですよ！｣
それを本人の前で言えるこの子の勇気、凄いな…
どうやら、やっと俺がアイドルだって気づいたらしい
｢でも、それだと尚更変なんですよ…｣
｢何がだ？｣
｢Aちゃんはこういう、若い子が好きなものには本当に疎い子でして…Tik〇okとかイン〇タも知らない子なんです｣
｢そんな子がアイドルに興味を持つなんて…｣
それは、確かに変だな…
となると、それ以外の繋がりとか？
そういえば…
｢凛月はピアノが得意でさ。Aちゃんがコンサートに何度も出てるなら、そこで会ったとか考えられそうだな｣
｢｢う〜ん…｣｣
｢どうした？｣
｢Aちゃんのコンサートは長い間見てきましたけど、一度も若い男性が演奏してるのを見たことがありません｣
｢そっか…｣
でも、流石に赤の他人の家には泊まらないよな
あの二人の共通点って一体何なんだ？
｢あ、あの…衣更先輩｣
｢ん？どうした？｣
｢有名アイドルですし、忙しいのは承知でお願いするんですけど…｣
｢これは？｣
その子たちは、俺に二枚のチケットを渡した
｢Aちゃんが出るコンサートのチケットです。お偉いさんも多いので、言動には注意する必要があるんですけど…｣
｢そこにケダモ…じゃなくて、凛月さんを呼んできてくれませんか！｣
なんか今、凄い言い間違えが聞こえた気が…
｢ああ、分かった。凛月と観に行くよ｣
｢｢ありがとうございます！！｣｣
｢Aちゃんの歌声は一番後ろの席でもよく響くんですよ！｣
｢衣更先輩も是非Aちゃんを観察してください！｣
この子たち、なんていい子なんだ…！
俺は凛月を連れて、Aちゃんのコンサートに向かうことにした
ラッキーアイテム
りっちゃん
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作者名：赤月 音 | 作成日時：2022年3月8日 8時
