第十七話 訳わかんないにも程がある ページ18
ホームルームを終え、十分間の休憩を告げるチャイムが鳴り響いた。
朔夜がやらかしてしまったおかげで最悪になってしまったクラスの空気。
そんな中、この状況を作り上げた張本人だというのに、朔夜は笑顔で隣の生徒に話しかけていた。
「ねぇ、名前聞いてなかったよ! なんていうの?」
朔夜の無邪気な笑顔を見た穂乃果は、この空気の中で笑顔を浮かべることができる朔夜に怒鳴り散らしてやろうかとも思った。
しかし、穂乃果の「もうこれ以上目立ちたくない」という思いの方が強かったため、仕方なく答えを返した。
「……音羽穂乃果」
「へぇ、そっか! 穂乃果っていうんだ! すごくいい名前だね、女の子っぽくてかわいい」
また朔夜は穂乃果に向かって笑みを浮かべる。
穂乃果は、あまりにも唐突すぎる朔夜のセリフに思わず頬を桜色に染める。
(なにそれ、訳わかんない。名前がかわいいなんて、言われたことないし……)
対応に困っている穂乃果を見て、朔夜はハッと何かに気が付いたような表情を浮かべた。
「そうだ! 忘れてたよ、穂乃果に言いたいことがあるんだった」
「え? あ、あぁそんなこと言ってたね」
まだ少し熱い頬を他人に見せないよう、穂乃果はふいとそっぽを向きながら、素っ気なく言う。
(なんなの、コイツ……。訳わかんないにも程がある)
ちらり、と朔夜の整った顔を盗み見る穂乃果。
(今、「穂乃果」って下の名前で呼んだよね? しかも、呼び捨て)
不意打ちばかりしてくる朔夜に戸惑う穂乃果。
そんな様子の穂乃果を少しも気にせずに、朔夜は穂乃果の手首をもう一度掴んだ。
「一緒に来て!」
「はっ? え、ここでいいじゃん、どこ行くつもり? ちょ、聞いてんの!?」
穂乃果が注目を浴びたのは、これで二回目。
クラスメートたちの突き刺すような視線を浴びながら、朔夜と穂乃果は二人で教室を飛びだした。
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凍夢(プロフ) - おもしろいです!続きがきになるので続きをお願いします (2018年7月17日 0時) (レス) id: 00e413b96f (このIDを非表示/違反報告)
アナナス - 面白いです、続き待ってます。 (2017年7月4日 16時) (レス) id: c0c87a14c1 (このIDを非表示/違反報告)
闇風ヤク@アニオタ重症(プロフ) - 面白いw更新楽しみにしてる!!☆*:.。. o(≧▽≦)o .。.:*☆ (2014年8月10日 14時) (レス) id: a55c4f8740 (このIDを非表示/違反報告)
時雨 - なかなかです。続きが気になります頑張って下さい。 (2014年6月22日 18時) (レス) id: baa4070149 (このIDを非表示/違反報告)
ルーナレシア(プロフ) - これ面白すぎる(>∀<)こういうの好きなんですよ〜♪続きが楽しみです!! (2014年6月21日 9時) (レス) id: 107d52b62e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:aru | 作成日時:2014年5月27日 23時