第十四話 コイツ変だよ ページ15
ちょ、なにこれ。
なんで私が、イケメン転校生と一緒にクラス中の注目を浴びてるの?
蒼菜ちゃんじゃなくて、なんで……私?
穂乃果は無理矢理席を立たされたあと、顔を真っ赤にしながら慌てふためき、朔夜の笑顔をじっと見ていた。
穂乃果とは対照的に、朔夜はニコニコ笑いながら「やっぱり、絶対この子だぁ」だとか言って嬉しそうに穂乃果の手を握っている。
(よく分からない……。なんで? 私、コイツとは関わらないって、決めたばかりだったはずなのに)
穂乃果は恥ずかしさを抑え込んで、やっとのことでクラス中を見回した。
穂乃果のクラスメートたちはみんな、ただただ茫然としていた。
クラスではほとんど存在感のない穂乃果が目立っているということよりも、蒼菜がひどい言われようをされてしまったことに驚いている様だった。
クラスで一番の人気者である、あの蒼菜が。
なぜ、存在感のない音羽穂乃果なんかに負けているんだろう。
そんな表情をほぼ全員が浮かべていた。
蒼菜もまた、穂乃果や朔夜を見上げて驚いた表情をしている。
「どうしてわたしがあんな子に負けたの?」とでも言わんばかりに、蒼菜のつぶらな瞳からは今にも涙が溢れそうになっていた。
そんな様子のクラスメートたちに囲まれている朔夜は、それでもなお何も気にせずに穂乃果にやんちゃな笑顔を向けていた。
「あ、そうだ、こっち! こっち来て! 忘れてたよ、来てほしい場所があったこと」
笑いながら腕を引く朔夜。
(こんなに変な空気が流れてるのに……少しも気にしてないなんて。ホント、コイツ変だよ)
穂乃果は朔夜に引っ張られながら、そんなことを思った。
朔夜をおかしい奴だと思い込んで疑おうとしなかった。
イケメンだろうと、爽やかな笑顔を向けられようと、その気持ちは変わらない。
だから、穂乃果は思いっきり力を込めて朔夜の手を振りほどいてやったのだった。
「……え?」
透き通った宝石のようにきれいな二つの目をぱちくりさせて、穂乃果を見つめる朔夜。
罪悪感のかけらもない澄んだ瞳を見て少し怯みそうになったものの、穂乃果は大声でこう叫んだのだった。
「アンタ、馬鹿なの? 蒼菜ちゃんに謝るべきじゃないの!?」
第十五話 冷たすぎだと思うよ→←第十三話 ハッピーエンドだ。
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凍夢(プロフ) - おもしろいです!続きがきになるので続きをお願いします (2018年7月17日 0時) (レス) id: 00e413b96f (このIDを非表示/違反報告)
アナナス - 面白いです、続き待ってます。 (2017年7月4日 16時) (レス) id: c0c87a14c1 (このIDを非表示/違反報告)
闇風ヤク@アニオタ重症(プロフ) - 面白いw更新楽しみにしてる!!☆*:.。. o(≧▽≦)o .。.:*☆ (2014年8月10日 14時) (レス) id: a55c4f8740 (このIDを非表示/違反報告)
時雨 - なかなかです。続きが気になります頑張って下さい。 (2014年6月22日 18時) (レス) id: baa4070149 (このIDを非表示/違反報告)
ルーナレシア(プロフ) - これ面白すぎる(>∀<)こういうの好きなんですよ〜♪続きが楽しみです!! (2014年6月21日 9時) (レス) id: 107d52b62e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:aru | 作成日時:2014年5月27日 23時