【中堂系】甘く檸檬のようなキスをして２

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これってキスマーク？

私は恥ずかしさのあまり、必死に髪で隠す。




「お前がバカみたいに隙だらけだからこうなるんだ。

急に好きだの何だの言われたと思ったら、初対面のクソ野朗の所へフラフラと…随分と忙しい奴だな。


…それともあれか？お前は誰彼構わず好きだと言うのか？

俺もお前の大多数の男の中の一人で、俺をおちょくって楽しんでるのか？」




「…そんな事ない…！」



先生にまくし立てるように言われ、悔しさのあまり目の淵に涙が溜まる。

オフィスには捜査ニ課がいるのにも関わらず、声を張り上げてしまう。




「私は……っ」


＿＿＿＿先生しか、見えてないというのに。



私ばっかり気持ちが膨らんで、馬鹿みたい。



口を開けば、涙がこぼれ落ちそうで
私は唇を必死に噛む。



そんな顔を見られたくないと思い、私は先生に背を向けた。


そして、自分を抱きしめるように腕を組む。



すると、異様に長く感じる沈黙を裂いたのは
先生だった。




突然首筋辺りに柔らかく温かい感触がして、
次の瞬間、歯を立てられ鈍い痛みが広がる。


思いがけないその行動に、ビクッと肩が震え
私は狼狽えた。





その部分を手で押さえながら
振り向くと、先生は得意げに口角を上げる。




「…ほらな。お前は隙がありすぎる」


「おちょくってるのはどっちですか…」



私はため息混じりに言うと、先生から少し距離を開けようと試みる。


…が、歩き出そうとする私の右腕を先生が掴み、それを制止する。




「そうじゃない」



私が再び首をひねり、何が？と尋ねるような目線を上げる。




「お前はもっと危機感を持て。
…じゃないと俺が困る」


「…え、何で…ですか…？」



先生の言っている意図が読めず、不審を抱く。

しかし、先生を見上げながら、言葉が降りるのをじっと待っていた。



すると何か決心したかのように、口を開く。





「お前を誰にも渡したくないからだ」



癖っ毛の隙間から微かに覗く先生の瞳は
熱く、真っ直ぐに私を見据えていた。


それとは反対に、私は目を泳がせる。

動揺から、どこに目線を置けばいいのか
分からなかったからだ。




とにかく、全身が火照る。



「…そ、それってどういう意味_＿＿」




＿＿ですか、と訊こうとした瞬間に

空間を裂くような甲高い携帯の着信音が
所長室一杯に鳴る。


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