無実の罪（潤） ページ34
翔side
体温は相変わらず。
貼っているぬるくなった冷えピタを剥がし、新しいものに変える。
「んー？智兄が持ってきてくれたよ食べる？」
精神的にも不安定になりつつあって行動の一つ一つが幼くなってきている。
智兄がすりおろしたリンゴを持ってきてくれた。
「潤はそのまんまでいいよ、うん」
熱も高いし、起き上がってもキープ出来るほどの体力はない。
寝転んだままでスプーンにリンゴを載せて口元へ。
目が潤んでいるから余計に幼く見える。
口に含ませるとモグモグと口を動かす感覚。
胃腸の動きも弱くなってるから無理に食べると吐いちゃうんだよね...
だから食べさせる量もスプーン2.3杯。
それだけだと必要な栄養も取れないから点滴で補充。
本当はそれさえもしたくないんだけどね。
でも、そうでもしないと潤が弱っていく姿を見ていくだけだから。
そこはしっかり管理しないとって。
「...ご馳走様〜、ね、潤」
なんとか食べ終わって満足そうな表情をする潤。
精神的な体調不良だから特別薬があるわけでもない。
どうしても高めの熱が続いて苦しそうなら色々対処しているけどね。
潤が自分を守るためにこのようは形で自衛って考えると...
何も言えなくなる。
トントンと布団の隣に自分も寝転んで胸のあたりを擦る。
トロンと眠くなってきたのか夢と現実をさまよっている表情。
「...いるから...おやすみ」
寝たら1人になるって恐怖心からなかなか上手くいかない。
でも身体は素直で規則正しい寝息が聞こえてきた。
＊
智side
潤「はぁ...はぁ...はぁ...」
「大丈夫、大丈夫...智兄のマネしようか」
夜中に潤を挟み、翔と寝ているときに感じた異変。
背中側が引っ張られる感覚がして目が覚めて気づいた。
苦しそうに呼吸をしているもんだから、すぐに抱き寄せて背中を擦る。
潤「んっ...んっ...っ...」
過呼吸を起こすほどに追い詰められている。
潤が前に言っていたんだけど夢で色々家族側に言われるんだって。
『お前のせいだ』
『殺した』って言葉が永遠と聞こえるって。
でも、いくら謝っても謝っても解決はしなくて...
『気がついたら息が苦しい』って言っていた。
こうやって弟が苦しむのも、ただ傍にいることしか出来ない。
いや、傍にいるだけでも良いのかも。
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tuna - お返事ありがとうございます。このシリーズ大好きなので楽しみにしています。兄弟妹愛のある絆作品楽しみです。 (2021年2月19日 23時) (
レス) id: 96f8b2d001 (このIDを非表示/違反報告)
Lima(プロフ) - tunaさん» tunaさま、ご感想･ご意見ありがとうございます。妹ちゃんににつきまして申し訳ございませんでした。今後お話にご意見を反映させて頂きます。今後もよろしくお願いします。 (2021年2月19日 20時) (レス) id: 40e4df6e73 (このIDを非表示/違反報告)
tuna - とても面白かったです。知らない病気等が知れました。が、お兄ちゃん達が大変なのに妹ちゃんが出てこなくて切なくなりました。妹は部外者みたいに感じました。 (2021年2月19日 18時) (レス) id: 96f8b2d001 (このIDを非表示/違反報告)
琴子(プロフ) - Limaさん» お返事ありがとうございます！こちらこそありがとうございました。沢山叶えて頂きましたね(*´▽｀*) 最後まで楽しんで読ませて頂きますね(^^) (2020年9月6日 23時) (レス) id: 6d94367748 (このIDを非表示/違反報告)
Lima(プロフ) - 常夏さん» 常夏さま、そういった存在の小説になることが出来てとても感激です....！これからも楽しんで頂ければ幸いです。 (2020年9月5日 12時) (レス) id: 8c2f3cec2f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Lima
| 作成日時：2020年4月16日 21時
